Surfshark vs. Mullvad — 2024年の比較ガイド

Surfshark vs Mullvad： 概要

まさにプロ格闘家のように、VPN業界のこの重量級のプロバイダーは、リングに上がる前にまず計量を行わなければいけません。以下が、SurfsharkとMullvadの計量を比較した結果です。

プライバシー

どの優れたVPNプロバイダーにとっても、プライバシーは最優先事項に入る必要があります。SurfsharkとMullvadのどちらも、それぞれの事業でプライバシーを守る素晴らしい特徴があります。朗報は、どちらのプロバイダーでもプライバシーは安全であるということです。残念な話とすれば、このセクションでは、どちらを選ぶか簡単に決められないということです。

ログなし

両社ともノーログポリシーを採用しており、ユーザーのオンラインアクティビティに関する情報を保存していないと宣言しています。特筆すべき点は、Surfsharkだけが、ノーログポリシーを独立した監査機関によって確認されているということです。しかし、Mullvadが自社のポリシーを忠実に守っているのかという疑惑は現在までに上がっていません。

RAMのみのサーバー

RAMのみのサーバーは、プレミアムVPNサービスプロバイダーの業界標準になっています。情報は物理的なハードドライブに保存されず、定期的に消去されるので、このようなサーバーから情報を盗むのはほぼ不可能です。

Surfsharkは、2020年にインフラストラクチャを100%RAMのみのサーバーに移行し、それ以来戻していません。Mullvadはまだ移行している途中で、650以上あるサーバーの内の9つがハードドライブを使用しています。 

本社の所在地

Surfsharkの本社はオランダ、Mullvadの本社はスウェーデンにあります。両国にはデータ保持に関する法律がありません。つまり、両社はデータの保持を法律で義務付けられていないということです。

これはノーログポリシーを守ることができ、たとえ政府からユーザーのデータを求められても取得できないということを意味します。最初からデータが保存されていないからです。

匿名性 

匿名性とプライバシーは全く同じものではありませんが、この点を見らずにSurfshark vs Mullvadの比較を進めるわけにはいきません。Mullvadは、いかなる情報も、メールですら必要とせずに完全に匿名のアカウントを作成できます。ランダムに生成された16桁のコードでログインします。

Surfsharkがメールを安全に守るのに対して、完全に匿名になる方法を探しているのであれば、最初から情報を提供する必要がないのは素晴らしいです。

サーバーの場所

サーバーの数と場所は、素晴らしいVPNのユーザー体験にとって、実際に考えているよりも重要な要素です。 

VPNのサーバーが多ければ多いほど、混雑しにくくなります。たとえ混雑しても、いつでも別のサーバーに切り替えられます。サーバーの場所が多いということは、どこにいても近くの接続可能な場所を見つけられることを意味します。

VPNを使用する際、サーバーからの距離とサーバーの混雑具合が 接続速度の重要な要因になるため、この点は見過ごせません。

この記事を書いている時点で、Surfsharkが100か国に3,200以上のサーバーを擁するのに対して、Mullvadは43か国に650以上のサーバーがあります。 

MullvadはSurfsharkよりユーザー数が少ないので、655のサーバーは混雑するほどの数ではないでしょう。残念ながら、アプリにはサーバーが起動しているかどうかしか表示されず、どれくらい混雑しているかは表示されないので、どちらのプロバイダーが良いかは言えません。言えることは、Surfshark は3,200以上のサーバーを提供しているので、ピーク時でも確実に最高の性能が発揮されるということです。

サーバーの場所に関しては、説明は要らないでしょう。Mullvadが10043か国に対応しているのに対して、Surfsharkは100か国に接続できます。これは、Surfsharkを使用すると、近くのサーバーが見つかる可能性が高いということです。

サーバーの速度

世界中に多くのサーバーを擁するプライベートで安全なVPNの速度が非常に遅くなると、ユーザーにとっては不便です。そのため、VPNのプロバイダーを選ぶ際は、速度が重要な要素になります。

私はOokla Speedtestのツールを使って複数回テストを行い、どちらのプロバイダーの速度が速いか調べました。まずはベースラインを作成するために、VPNを使わずに速度をチェックしました。

• ダウンロード速度 — 285.54 Mbps
• アップロード速度 —284.68 Mbps
• Ping値 —5 ms

次にローカルサーバーとダラス、 東京とヨハネスブルクにあるサーバーで速度をテストしました。テストではWireGuardを使用しました。どちらのプロバイダーでも使用できる最速のVPNプロトコルだからです。結果は以下の通りです。

Surfsharkは、プレミアムVPNに期待すると思われる速度に応える結果が出ました。ローカルサーバーではわずかに速度が遅くなりました。海外サーバーではさらに少し速度が落ちました。しかし、この程度の差異は予想通りで、全体を通して速い速度を保っていました。

Mullvadの結果は、少し通常とは異なります。なので、これらの結果を見る際は、決められた時間内に一人が一か所でテストを行ったということを念頭に入れておいてください。よって、実際にMullvadを使用した際に全く異なる結果が出るかもしれません。

まず、Mullvadはリトアニアにサーバーがありません。そこで、ローカルサーバーに一番近いものはラトビアにありました。ラトビアのサーバーではアプリに問題が出ませんでしたが、他のサーバーでは速度がかなり落ちました。よって、ワルシャワのサーバーの速度テストの結果をローカルサーバーの結果に用いました。

全体的に見ると、Mullvadは全てのテストにおいてSurfsharkよりダウンロード速度が遅かったです。それでも、アップロード速度はサーバーの設置場所を問わず、とても速い結果が出ました。 

また、Mullvadのテスト結果にはかなり変動が見られたことも注目すべき点です。同じサーバーでほんの数秒ずらして2回テストを行ったところ、結果に大きな差が出ました。上の表の結果は平均値ですが、テストによっては平均値をはるかに超える結果や、はるかに下回る結果が出ました。 

もちろんのこと、Surfsharkの結果も常に同じではありませんが、 明らかにより一定していました。 

ストリーミング性能

多くのユーザーにとって、インターネットがテレビに取って代わり、自宅でエンターテイメントを楽しむ主な手段となっています。私達は、インターネットを使ってドラマ、映画、動画、スポーツやかなりの多くのものを見ています。オンラインで何をするにしても、好きなコンテンツを楽しむ間は、プライバシーを守れるようにVPNをオンにしたままにする必要があります。

しかし、全てのVPNが同じように作られているのではなく、ほかのものよりもストリーミングに優れているというVPNもあります。VPNはしっかりと安定した速度を保ち、利用するストリーミングサービスで機能する必要があります。

速度に関しては、それぞれのサービスで要件が異なるため、どの値が良いとは言えません。また、ライブストリーミングや広告の多いコンテンツを視聴するには、高速通信が必要です。大よその目安として、Netflixが推奨するインターネットの速度を参考にするとよいでしょう。

通信速度が良いからといって、VPNを使って何の問題もなくストリーミング動画を楽しめるということは保証できません。ストリーミングサービスプロバイダーが、VPNプロバイダーから判明するIP（インターネットプロトコル）アドレスをブロックすることがよくあり、ほかのプロバイダーよりも悩まされることがあります。

私がテストを行った際、Surfsharkを主要なストリーミングサービスで使用しても何の問題もありませんでした。それに対して、Mullvadはあまり上手くいきませんでした。Netflix、Hulu、BBC iPlayerやAmazon プライム・ビデオといった主流の動画ストリーミングサービスを起動させようとしたら問題が発生しました。 

Mullvadはストリーミングにはスプリットトンネリングを推奨していますが、ストリーミングサービスのウェブサイトやアプリの通信が保護されない可能性があるので、良い選択肢ではありません。

VPN プロトコル

VPNプロトコルは、VPN接続の速度とセキュリティの面で極めて大きな役割を果たします。幸いにも、SurfsharkとMullvadのどちらも利用可能な最高のVPNプロトコルをいくつか使用しています。

OpenVPNとWireGuardは、プレミアムVPNのプロバイダーが使用する最も主流のプロトコルの内の2つで、それなりの理由があります。 

OpenVPNは随分前から使用されており、新しいプロトコルより遅い場合がありますが、非常に信頼でき、安全です。一方、WireGuardはVPNプロトコルの新しい価値観をもたらしました。非常に速くて安全ということから、瞬く間に多くのVPNユーザーの間で選択肢となりました。

Surfsharkはこれに加えてIKEv2も使用しています。これは速さ、安定感と安全性を備えた別のプロトコルで、モバイルデータからWiFi、その逆に切り替えるのに上手く対応することから、モバイルユーザーに支持されています。

カスタマーサポート

カスタマーサポートは、一度も利用したくないと思うVPNの特徴です。しかし、VPN自体に問題がある、あるいは単に知識不足のために、いつかはカスタマーサポートを利用することになるのはほぼ避けられません。

時間が非常に重要とされる時代なので、私は消費者として、できる限り最短時間でサポートできる質を求める傾向があります。 

Mullvadにはしっかりとした検索可能なナレッジベースがあり、提供しているVPNに関してユーザーが尋ねると思われる数多くの主な質問をカバーしています。Mullvadにはライブチャット機能やチケットサポートがないため、残念ながら、探している事柄が見つからなければ、メールでカスタマーサポートに問い合わせるしかありません。

さらに、カスタマーサポートが24時間年中無休で対応しているかどうかの情報が見つからなかったため、営業時間後にメールを送ると、返事が遅くなるかもしれません。私の場合は、営業時間の真っただ中に問い合わせたところ、90分で返事がきましたが、メールの対応はかなり良かったです。回答内容は短かったですが、必要としていたことに対しては十分でした。これに関して不満はありません。

Surfsharkに関しては、幅広く対応した検索可能なナレッジベースとメールによるサポートに加えて、ライブチャット機能、チケットサポートと情報を提供するYouTubeチャンネルがあります。 

ライブチャットは最も早い問い合わせ方法です。ピーク時には時間がかかるかもしれませんが、私の場合は、1分以内でカスタマーサポートの担当者につながりました。担当者は親切で、知識が豊富でした。問題がすぐに解決できなければ、チケットサポートにまわります。

監査

VPNプロバイダーは、自社のサービスを好きなだけ自慢できますが、それを裏付けることができなければ意味がありません。そこで、独立した監査は、主張を裏付ける最高の手段です。 

Cure53と4大会計事務所 — PrivatewaterhouseCoopers（PWC）、Deloitte、Ernst &（EY）とKlynveld Peat Marwick Goerdeler（KPMG）— が監査の最大手です。ほかの監査事務所が信頼できないということではありませんが、これらのうちの一社の名前が監査報告書に入っていると、影響力が少し増します。 

Surfsharkの監査結果

Surfsharkはこれまでに複数回監査を受けました。最初の監査は2018年で、Cure53にブラウザ拡張機能の監査を受け、その後は2021年にSurfsharkのインフラストラクチャ全体の監査も同社に依頼しました。2022年にSurfsharkは、ノーログポリシーを証明するDeloitteの保証報告書を受け取りました。

これらの監査では重大な問題は見つからず、そこで見つかった小さな問題は迅速に解決しました。

Mullvadの監査結果

Mullvadも整合性に何の疑惑もありません。同社は、4大会計事務所のグループに属していないものの、監査業界で定評のあるAssured ABから様々な監査を受けています。 

MullvadはCure53からインフラストラクチャとアプリの監査を別々に受けており、リスクの高い問題がいくつか見つかりましたが、悪用される前に解決しました。

セキュリティと暗号化

VPN プロトコル

プライバシーとセキュリティに関しては、SurfsharkとMullvadのどちらもWireGuardとOpenVPNを使用した、安全なプロトコルを提供しています。SurfsharkはIKEv2も提供しており、これを使うことは選択肢として良いですが、Surfsharkの安全性を高めるということではありません。

データの暗号化

どちらのプロバイダーもAES-256暗号化を採用していますが、これはまさに現在のプレミアムVPNに期待すると思われるものです。現時点で最も安全な暗号化アルゴリズムで、これより優れたものが出てくるまでは、どの優れたVPNプロバイダーも使用するでしょう。

クローキング技術

MullvadとSurfsharkのどちらも 難読化されたサーバーを使用して、ユーザーが不当で厳しい検閲に立ち向かえるようにします。プライバシーの保護とセキュリティを提供しながら、VPNを使用している事実を隠します。

Surfsharkは、OpenVPNプロトコルを使用してサーバーに接続するだけです。Mullvadの場合は、手動で設定するステップがいくつかあるので、プロセスが少し複雑です。また、Surfsharkはユーザーが使用しているどのデバイスにも対応していますが、MullvadにはiOSデバイス用の難読化機能がないということも注目すべき点です。

アプリセキュリティ

Kill Switchは、VPNの接続が途切れると、すぐにインターネットの接続を自動で切断する機能です。これにより、データが一切漏洩することがなく、VPNで保護されない状態でインターネットを使用することを防ぎます。

Surfsharkでは、アプリの設定でKill Switchのオンとオフを切り替えすることができます。Mullvadには、初期設定で有効化されているキルスイッチが内蔵されていますが、無効にすることができません。常に保護したくなるので、この点は問題ではありません。

補助機能

広告ブロッカー

Surfsharkには、CleanWeb機能の一部に広告ブロッカーとクッキーポップアップブロッカー があり、トラッカーとマルウェアもブロックします。アプリやブラウザ拡張機能でCleanWebのオプションを切り替えるだけで、簡単にオンにできます。

Mullvadにも広告をブロックする機能がありますが、手動で設定する必要があり、色々な機能はついていません。

スプリットトンネリング

通常の使用モードでは、VPNは全ての通信を暗号化して保護します。しかし、VPNによる保護から特定のアプリを除外したい場合があると思います。 

スプリットトンネリングは、銀行アプリの使用、ワイヤレスデバイスへのアクセス、2つのIPアドレスの同時使用を許可したり、データの消費量が多いアプリを除外したりして、VPNの速度が低下しないようにします。幸いなことに、SurfsharkとMullvadのどちらもスプリットトンネリングのオプションがあります。

Smart DNS

スマートテレビ、ゲームコンソールやその他のデバイスの中には、VPN未対応のものがあります。制限されているコンテンツにアクセスしたい場合は、Smart DNS（ドメインネームシステム）が確実な方法です。IPアドレスではなく、DNSアドレスだけを変更し、VPNのセキュリティを高めるものではありませんが、何もないよりはマシです。

SurfsharkにはSmart DNS機能があり、使い始められるように豊富な設定ガイドをご用意しました。Mullvadにこの機能はありません。

MultiHop

セキュリティをさらに高めたいときは、1つのVPNサーバーではなく、2つ経由させましょう。SurfsharkとMullvadのどちらにもMultiHop機能がありますが、セキュリティが高まる代わりに速度が低下するので、ご注意ください。

ほとんどの場合、MultiHopを使用すると速度が低下するので、セキュリティとプライバシーを最優先事項に考え、プロセスで速度が少し落ちても気にしないというときだけ使いましょう。 

GPS スプーフィング

VPN接続はIPを変更しますが、GPS位置情報には影響しません。さらなる対策を講じてGPSを偽装したいのであれば、Mullvadにはこの機能がないので、Surfsharkだけで行えます。

専用IP

VPNアプリを開いてサーバーの1つに接続すると、同じサーバーで全てのユーザーと同じIPを共有します。これに対して、専用IPは自分だけが使える安全なIPアドレスです。

これを使用すると、面倒なCAPTCHA認証を要求されることがほとんどなくなり、IPに敏感なウェブサイトやリモートネットワークにアクセスできるようになります。Surfsharkでは有料機能ですが、この必要性が分かる人にはそれなりの価値があります。Mullvadには専用IPのオプションがないため、同じサーバーで1つのIPを全てのユーザーと共有しなければいけません。

価格設定

SurfsharkとMullvadとでは、サービスの価格設定のアプローチが随分異なります。Surfsharkは様々なサブスクリプションを提供しており、長期プラン向けの魅力的な割引があります。かなり標準的な設定となっています。

一方、Mullvadには、業界の基準を気にする素振りすら見られません。全てのプランが月額€5の定額（この記事を書いている時点では、およそ$5.39）となっています。Mullvadはサブスクリプションの更新もしません。使用したいときに支払い、プランの期限が切れたら、必要なときに使用期間をアカウントに再度追加する仕組みです。

短期プランを希望する場合は、Mullvadのこの価格設定の方が安価です。しかし、12か月と24か月プランではSurfsharkの方が安価です。

お支払い方法

どちらのプロバイダーも豊富な支払い方法をご用意しており、両社ともにPaypal、クレジットカードと暗号通貨によるお支払いが可能です。 

Surfsharkでは、Google Pay、Amazon PayとSofortでもお支払いが可能です。これに対して、Mullvadは、銀行振込、Switch、Monero、さらには現金支払いもご利用できます。現金支払いは、文字通りお金を封筒に入れてMullvad宛てに送ります。ただし、現金支払いだけが返金の対象外となりますので、ご注意ください。

Surfshark vs Mullvad：主なポイント

Surfsharkは当社による速度テストでより高い性能を発揮し、世界中に幅広いサーバーのネットワーク あります。VPNで保護して、好きなドラマ、映画やスポーツをプライベートネットワークでストリーミング視聴したいのであれば、こちらの方が良いです。より優れたユーザー体験を提供できるように、様々なカスタマーサポートのオプションと追加機能もあります。

オンラインで徹底した匿名性を求めるユーザーにはMullvadの方が良いかもしれません。現金支払いが可能で、アカウントの作成にメールアドレスやその他の情報が要りません。また、一定してアップロード速度の速さが見られたので、一部のユーザーには魅力があるかもしれません。

さあどちらを選びますか？

どちらを選ぶかは、自分のニーズ次第です。指摘したり、どちらかを選ばないように説得したりするような大きな問題は、SurfsharkにもMullvadにもありません。

どちらのプロバイダーも、オンラインで使用するときはいつでもプライベートで保護された状態を保つ、安全なサービスを提供しています。これがVPNを選ぶ際に一番大切なことです。このことを踏まえて、自分が必要とする機能を備えたVPNを選びましょう。すると、素晴らしいVPNのユーザー体験を楽しめます。

よくある質問

Surfsharkは中国の企業ですか？

いいえ、Surfsharkはオランダに本社を置くヨーロッパの企業です。

Surfsharkは今も優れたVPNですか？

はい、Surfsharkは優れたVPNです。新機能で向上し続け、常に改善に努めています。