UPnP(Universal Plug and Play)は、同じネットワーク上のデバイスを自動的に接続するネットワークプロトコルです。メディアストリーミング、オンラインゲーム、スマートホームデバイス間の通信に一般的に使用されます。しかし、ハッカーがデータを盗んだり、デバイスにマルウェアを追加したりする手段にもなります。
これを防ぐには、UPnPとは何か、そしてそれをオンにした方がよいかどうかを知る必要があります。
UPnPとは何か
UPnPは、同じネットワーク範囲内のデバイスがHTTP(Hypertext Transfer Protocol)、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)などの標準プロトコルを介して接続できるようにするプロトコルです。デバイス同士が問題なく通信できるようにするため、ポートを自動的に開閉します。
たとえば、自宅で新しいスマートテレビを設定する場合、複雑な設定をしなくてもUPnPを使用してネットワークに接続できます。これにより、手動設定の手間が軽減されるため、ホームネットワークのユーザーにとって非常に便利です。
UPnPの仕組み
UPnPは円滑に機能するために6段階のプロセスを踏んでいます。UPnPがどのようにネットワークを管理するかを段階ごとに説明します。
- アドレス取得:デバイスはDHCPを使用してネットワークからIP(インターネット・プロトコル)アドレスを要求し、サーバーが利用できない場合はIPアドレスを割り当てます。
- 発見:SSDP(Simple Service Discovery Protocol)でネットワーク上に存在を通知し、他のデバイスを見つけ、通信を確立します。
- 説明:モデル、サービス、制御URLなどの詳細情報を提供し、他のデバイスが自身の機能を理解できるようサポートします。
- 制御:SOAP(Simple Object Access Protocol)を使用したXML(Extensible Markup Language)形式の制御メッセージを交換して、相互にやり取りし、コマンドを実行します。
- イベント通知:状態が変化した際に他のデバイスに通知を送信し、最新の状態を知らせます。
- プレゼンテーション:最後に、ユーザーがブラウザを通じて制御やステータスの確認を行えるウェブインターフェース(プレゼンテーションURL)を提供します。
これらのステップによりデバイス間のスムーズな通信が確保されますが、UPnPの役割はこれだけではありません。最も重要な機能の1つであるネットワークポートの管理は、制御とイベント通知ステップの裏で自動的に行われます。
デバイスが通信を行い、最新情報を共有する際、特定のネットワークポートを開く必要がある場合がよくあります。UPnPはネットワークポートの自動開閉によりこれに対応します。ポートフォワーディング(プライベートネットワーク内の特定のデバイスやサービスへ受信したインターネットトラフィックを誘導するネットワーク技術)を使用し、ルーター設定を変更しなくてもデバイスを接続します。
この自動ポート管理によりデバイス間の通信がより容易になります。これがなければ、複雑で時間がかかる場合があるポートフォワーディングの手動設定が必要となります。
UPnPの主な用途
UPnPは接続を簡素化するため、多くの家庭や産業で広く利用されています。主な用途を紹介します。
- ゲーム機:Xbox、Nintendo Switch、PlayStationなどのコンソール向けにネットワーク設定を自動的に構成します。これによりユーザーは、複雑なポートフォワーディングやWi-Fiネットワークの問題に対処することなく、お気に入りのマルチプレイヤーゲームに簡単に参加できます。
- ストリーミングデバイス:Apple TVやRokuなどのデバイスがホームネットワーク上のコンテンツを検出してストリーミングできるようにします。これにより、手動で接続を設定することなく音楽、写真、動画など、デバイスに保存されたメディアに簡単にアクセスできます。
- モノのインターネット(IoT)デバイス:照明、カメラ、サーモスタットなどのスマートデバイスは、UPnPを使用してホームネットワークに接続します。これにより、スマートフォンからスマート照明や防犯カメラを制御できて便利です。
- リモートホーム監視: UPnPは、リングカメラなどの遠隔ホーム監視システムをホームネットワークに追加し、どこからでも物件を監視できるようにします。 音声でスマートホームを制御できるAmazon AlexaやGoogle Assistantなどのデジタルアシスタントにも適しています。
UPnPは安全ですか?
UPnPは便利である反面、深刻なセキュリティ上の懸念があり、多くの人が「UPnPは無効にする方がよいか?」と疑問視しています。端的な結論は「はい」ですが、その理由を理解しましょう。
- セキュリティリスク:多くのルーターではWAN(広域ネットワーク)アクセスがデフォルトで有効になっているため、UPnPによってローカルネットワーク上のデバイスが許可されていないデバイスと通信できてしまいます。つまり悪意のある者がネットワークにアクセスして、この入口を悪用してデバイスを操作したり、ネットワーク機器を制御したりする可能性があります。
- 認証と承認の欠如:UPnPでは、デバイスはお互いの身元や権限を確認せずに通信できます。そのため、攻撃者はネットワーク上のデバイスに容易にコマンドを送信して、侵害したり、トラフィックをリダイレクトしたりできます。厳格な対策がないため、UPnPを理解するあらゆるデバイスが理論上お互いにやり取り可能であり、それが潜在的なセキュリティ侵害につながる恐れがあります。
- 脆弱性:ハッカーはUPnPを使用して、防犯カメラやスマートロックなどのIoTデバイスを発見し、操作できます。彼らはネットワークにバックドアを作成し、マルウェアを追加することでDDoS(分散型サービス拒否)攻撃を強めます。
これらのリスクを理解することで、UPnPの利便性が特定の状況における潜在的なセキュリティ上のトレードオフに見合うかどうかを判断できます。
UPnPは無効にした方がよいですか?
率直に言って、UPnPは確かに便利です。UPnPはゲーム機、ビデオチャットアプリ、スマートホームデバイスの接続を自動的に設定します。しかし、この利便性にはリスクも伴います。UPnPをオンにした方がよいかどうかの判断は難しい場合があります。まず、以下の内容を理解しましょう。
UPnPを有効にすると、NAT(Network Address Translation)タイプが変更されるため、リスクがあり、ネットワークが外部にさらされます。そのため、ほとんどの人にとって、UPnPを無効にする方が安全です。以下の場合も無効にすることを考えるとよいです。
- オンラインセキュリティが懸念される場合
- ネットワーク上に機密データがある場合
- デバイスの自動接続が不要な場合
- デバイス設定に若干の手間がかかってもよい場合
確かに、無効化すると、一部のデバイスやアプリでポートフォワーディングを手動で設定する必要があります。しかし、若干の手間に見合うセキュリティの向上が得られます。それでもUPnPを有効にする場合、必ず以下の対策を講じてください。
- ルーターのファームウェアを定期的に更新する
- ルーターで許可している場合、インターネットからのUPnPアクセスを無効にする
- ネットワークに接続しているデバイスを常に監視する
ルーターでUPnPを有効または無効にする方法
ルーター設定でUPnPを有効または無効にする手順を以下に示します。
ルーターのIPアドレスを確認する
まず、IPアドレスを確認します。その手順は以下の通りです。
Windowsの場合
- Windows + Rを押して実行ダイアログボックスを開きます。
- ダイアログにcmdと入力してコマンドプロンプトを開きます。
- コマンドプロンプトにipconfigと入力し、Enterを押します。
- デフォルトゲートウェイのアドレスを探します。通常、「192.168.1.1」のような形式になっています。これがIPアドレスです。
macOSの場合
- Apple メニューをクリックし、システム環境設定を選択します。
- ネットワークに移動して、ネットワーク接続を選択し、詳細をクリックします。
- TCP/IPタブにIPアドレスが表示されます。
モバイルデバイスの場合
- iOSの場合:設定 > Wi-Fi > 接続中のネットワーク > IPアドレスに移動します。
- Androidの場合:設定 > Wi-Fi > 接続中のネットワーク > IPv4アドレスに移動します。
ルーターの設定にアクセスする
- ウェブブラウザを開き、検索バーにIPアドレスを入力します。
- ユーザー名とパスワードの入力を求められます。 ここではデフォルトの認証情報を使用してください。通常、ルーターの背面または前面のステッカーに記載されています。
注意事項:認証情報を変更して忘れてしまった場合、ルーターの工場出荷時設定へのリセットが必要になることがあります。
UPnP設定を探す
- ログイン後、詳細設定またはネットワーク設定という名称のセクションを探します。
- UPnPはWAN設定、LAN設定、NAT転送などのサブカテゴリ内にあることがあります。
- UPnPまたはUPnP設定というオプションを探します。
- UPnPを有効にするには、その横にあるチェックボックスをオンにするか有効を選択します。
- UPnPを無効にするには、チェックボックスをオフにするか無効を選択します。
- 変更した後、必ず保存または適用をクリックして変更を確認してください。
ルーターを再起動する(任意)
ルーターによっては、変更を適用するため、デバイスの再起動を指示される場合があります。再起動するには、ルーター設定内の再起動オプションを探すか、ルーターの電源プラグを抜いて数秒待ってから差し込み直します。
これらの設定の変更に不安がある場合、多くのルーターメーカーはウェブサイトに役立つガイドを掲載しているので参照してください。不明点がある場合、ルーターのマニュアルを確認するか、インターネットサービスプロバイダーに問い合わせてください。
UPnPの設定を理解するためのヒント
UPnPを有効または無効にするプロセスに役立つヒントをいくつか紹介します。
- ヘルプセクションを探す:多くのルーターには、特定の設定について説明するヘルプセクションやツールチップが内蔵されていることがあります。
- メーカーのドキュメントを確認する:問題が発生した場合、ルーターのマニュアルを参照するか、メーカーのウェブサイトでモデルに該当する具体的な手順を確認してください。
- オンラインで検索する:適切な設定オプションが分からない場合、Googleでルーターのブランドとモデルを検索し、具体的な手順を調べると良いでしょう。
セキュアな接続のためのUPnPの代替手段
UPnPを無効にした方がよい理由がわかったため、もうこの機能はオフにしようと思っていますよね。でも、安心してください。デバイスを接続するためのセキュアな選択肢は他にもあります。ここではその方法を2つ紹介します。
手動ポートフォワーディング
手動ポートフォワーディングとは、外部デバイスがローカルネットワーク上の特定のサービスにアクセスできるようにルーターを手動で構成するプロセスです。開くポートを選択し、受信トラフィックを適切なデバイスに誘導する必要があります。
若干複雑な設定ですが、UPnPよりもセキュアです。外部からの干渉を防止するため、すべてのポートを開放するのではなく、デバイスを個別に選択することもできます。
その手順は以下の通りです:
- まず、リモートアクセスしたいアプリケーションやサービスを見つけます。
- そのサービスが使用する特定のポート番号(例:80(HTTP)や443(HTTPS))を確認します。
- ルーターの管理ページにログインし、ポートフォワーディングセクションに移動します。
- トラフィックの転送先とするデバイスのポート番号とローカルIPアドレスを入力します。
- 設定を保存し、必要に応じてルーターを再起動します。
VPN
手動ポートフォワーディングは優れた手段ですが、Surfsharkなどの信頼できるVPN(仮想プライベートネットワーク)と組み合わせることで、セキュリティをさらに強化できます。VPNは、ポートが開いていても、デバイスとインターネットの間に安全かつ暗号化されたゲートウェイを構築します。この設定により、不正なユーザーからデータを保護し、ネットワーク接続のプライバシーを確保できます。
VPNを使用すれば、公共Wi-Fiや旅行先でも自宅のネットワークやデバイスにセキュアにアクセスでき、ネットワークが潜在的な脆弱性にさらされる心配がありません。
Surfshark VPNでネットワークセキュリティを強化する
UPnPにはセキュリティリスクがありますが、必ずしも無効にする必要はありません。結局のところ、UPnPはライトユーザーがデバイスを接続する最も簡単な方法なのです。
オンラインハッカーやマルウェアがUPnP経由でシステムに侵入する懸念がある場合、Surfsharkなどの信頼できるVPNの使用を推奨します。これにより、世界中のセキュアなサーバーに接続し、オンライン活動の盗み見を防止できます。
よくあるご質問
UPnPは有効にした方がよいですか?
いいえ。UPnPを使用してデバイスの接続後にUPnPを無効にする方が安全です。それによって、ハッキングやマルウェアなどの潜在的なセキュリティリスクからネットワークを保護できます。
XboxではUPnPはどのように機能しますか?
UPnPにより、Xboxは必要なネットワークポートを自動的に開き、手動設定なしでオンラインゲームのパフォーマンスとマルチプレイヤー接続性を改善できます。
UPnPは無効にしない方が良いですか?
いいえ。UPnPを無効にすることはセキュリティ上好ましく、ネットワークに一切影響を与えません。ただし、UPnPが無効な場合、デバイスを手動で設定する必要がある可能性があります。
