シークレットモードは、閲覧履歴やCookieなどをブラウザに残しにくくするための機能です。家族や同僚などと同じデバイスを共有している場合に、閲覧したウェブサイトをほかのユーザーに知られにくくしたいときなどに役立ちます。
ただし、シークレットモードを利用しても、インターネット上で完全に匿名になるわけではありません。インターネットサービスプロバイダー(ISP)や勤務先・学校などのネットワーク管理者、アクセスしたウェブサイトなどには、通信やアクセスに関する情報を把握される可能性があります。
この記事では、シークレットモードの利用時に残る可能性がある履歴や情報を確認する方法と、それらを削除する方法を解説します。
シークレットモードの履歴について知っておくべきこと
シークレットモードでは、通常のブラウジングとは異なり、閲覧したウェブサイトなどの情報がブラウザの履歴に残りません。そのため、家族や同僚などと同じデバイスを共有している場合でも、シークレットモードで閲覧したウェブサイトを履歴から確認されにくくなります。
ただし、シークレットモードを利用すれば、すべての情報やアクティビティが記録されなくなるわけではありません。ここでは、シークレットモードで保存されない主な情報と、利用後も残る情報について解説します。
シークレットモード終了後にブラウザに保存されない主な情報は、以下のとおりです。
- 閲覧履歴:シークレットモードでアクセスしたウェブサイトは、通常のブラウザの閲覧履歴には残りません。
- Cookieやサイトデータ:シークレットモードの利用中は一時的に保存されますが、すべてのシークレットウィンドウを閉じてセッションを終了すると削除されます。
- フォームに入力した情報:シークレットモードでフォームに入力した情報は、通常の閲覧履歴として保存されません。ただし、ログインしたウェブサイト側などに情報が記録される場合があります。
一方、シークレットモードを終了しても、以下の情報は残る場合があります。
- ダウンロードしたファイルやブックマーク:シークレットモードでダウンロードしたファイルや追加したブックマークは、セッションを終了してもデバイスやブラウザに残ります。
- IPアドレス:シークレットモードを利用しても、IP(インターネットプロトコル)アドレスは隠されません。そのため、アクセスしたウェブサイトやインターネットサービスプロバイダー(ISP)などから通信に関する情報を把握される可能性があります。
- ウェブサイトやサービス側に記録された情報:シークレットモードでも、アクセスしたウェブサイトやログインしたサービスによるデータ収集を防げるわけではありません。
注意: シークレットモードを利用しても、インターネット上で匿名になるわけではありません。アクセス先のウェブサイトや勤務先・学校のネットワーク管理者、ISPなどからアクティビティを把握される可能性があります。オンラインでのプライバシーをさらに保護したい場合は、VPN(仮想プライベートネットワーク)などの利用も検討しましょう。
シークレットモードの履歴を確認する方法
シークレットモードで閲覧したウェブサイトは、通常の閲覧履歴には保存されません。そのため、シークレットモードを終了した後に、Chromeの履歴画面からアクセスしたウェブサイトを確認することはできません。
ただし、利用している端末や事前の設定によっては、DNSキャッシュやシークレットモードでの実行を許可したブラウザ拡張機能などに、アクセスに関する情報が残る場合があります。
ここでは、シークレットモードでの閲覧に関する情報を確認する主な方法を紹介します。
Windowsの場合
Windowsでは、DNSキャッシュを確認することで、閲覧履歴を確認できます。
手順は以下のとおりです。
- Windowsキーを押し、検索欄に「コマンドプロンプト」と入力します。
- コマンドプロンプトを開き、「ipconfig /displaydns」と入力します。
- Enterキーを押します。
これで、シークレットモードでアクセスしたサイトを含む、最近アクセスしたウェブサイトの情報を確認できます。
Macの場合
Macでも、DNSキャッシュを確認することで、シークレットモードでの閲覧履歴を確認できます。
手順は以下のとおりです。
- 「アプリケーション」>「ユーティリティ」の順に開き、「コンソール」を起動します。
- 検索バーに「any:mdnsresponder」と入力します。
- 次に、「ユーティリティ」から「ターミナル」を開き、「sudo killall -INFO mDNSResponder」と入力してEnterキーを押します。
- 再び「コンソール」に戻ると、訪問したウェブサイトの一覧を確認できます。
Androidの場合
Android版Chromeでは、シークレットモードのセッションを終了すると、アクセスしたウェブサイトの記録はChromeの閲覧履歴に残りません。そのため、通常のChromeの機能を使って、過去のシークレットモードの閲覧履歴を後から確認することはできません。
ペアレンタルコントロールなどの監視機能を事前に設定している場合は、設定内容や権限によってウェブサイトへのアクセスに関する情報が記録されることがあります。
ただし、こうしたツールを後からインストールして、すでに終了したシークレットモードの閲覧履歴を復元できるわけではありません。
Androidデバイスはシークレットモードの履歴に関する情報を保存しないため、その履歴を直接確認することはできません。しかし、この問題を回避する方法はあります。
iPhoneの場合
iPhoneでも、シークレットモードやプライベートブラウズで閲覧したウェブサイトを、ブラウザの通常の履歴から後で確認することはできません。
端末管理やペアレンタルコントロールなどの機能を事前に設定している場合は、利用しているサービスや設定によってアクセスに関する情報を確認できることがあります。
ただし、Androidと同様に、終了済みのシークレットモードの閲覧履歴を後から復元できるわけではありません。
ブラウザ拡張機能を利用する場合
「Off The Record History」などのChrome拡張機能を利用すると、シークレットモードでの閲覧履歴を確認できます。この拡張機能では閲覧履歴を保存できるため、後から履歴を確認することが可能です。
利用手順は以下のとおりです。
- 「Off The Record History」を検索し、「Chromeに追加」をクリックします。
- 「拡張機能を追加」をクリックしてインストールします。
- Chromeのアドレスバーに「chrome://extensions/」と入力します。
- 「Off The Record History」を見つけて「詳細」をクリックします。
- 「シークレットモードでの実行を許可する」をオンにします。
- Ctrl+Shift+N(Windows)またはCommand+Shift+N(Mac)を押して、新しいシークレットウィンドウを開きます。
- 閲覧履歴を保存する期間を設定します。
- 設定した期間中、拡張機能によって閲覧履歴が記録・保存されます。
シークレットモードを解除する方法
シークレットモードを解除する方法は、使用しているブラウザによって異なります。基本的には、シークレットモードやプライベートブラウズで開いているタブやウィンドウを閉じ、通常のブラウジング画面に戻すことで解除できます。
ここでは、主要なブラウザごとにシークレットモードを解除する方法を紹介します。
Google Chromeの場合
Google Chromeでシークレットモードを終了するには、開いているシークレットタブやシークレットウィンドウをすべて閉じます。
パソコンの場合は、シークレットウィンドウの「×」をクリックして閉じてください。複数のシークレットウィンドウを開いている場合は、すべて閉じることでシークレットモードを終了できます。
AndroidやiPhoneでは、タブの切り替え画面からシークレットタブを表示し、すべてのシークレットタブを閉じます。その後、通常のタブを開けば通常のブラウジングに戻れます。
Safariの場合
Safariでは、シークレットモードに相当する機能を「プライベートブラウズ」と呼びます。
iPhoneではSafariを開き、タブの切り替え画面から通常のタブに切り替えることで、プライベートブラウズを終了できます。
Macでは、プライベートウィンドウを閉じて通常のSafariウィンドウに切り替えるか、「ファイル」>「新規ウィンドウ」を選択して通常のウィンドウを開きます。
Microsoft Edgeの場合
Microsoft Edgeでは、シークレットモードに相当する機能を「InPrivate」と呼びます。
InPrivateを終了するには、開いているInPrivateウィンドウをすべて閉じます。通常のEdgeウィンドウを開けば、そのまま通常のブラウジングに戻れます。
すべてのInPrivateウィンドウを閉じると、そのセッション中の閲覧履歴やCookie、サイトデータなども削除されます。
Firefoxの場合
Firefoxでは、シークレットモードに相当する機能を「プライベートブラウジング」と呼びます。
プライベートブラウジングを終了するには、開いているプライベートウィンドウを閉じて、通常のFirefoxウィンドウに戻ります。複数のプライベートウィンドウを開いている場合は、すべて閉じてください。
Firefoxを常にプライベートブラウジングで利用する設定にしている場合は、「設定」>「プライバシーとセキュリティ」から履歴の設定を変更し、Firefoxを再起動することで通常のブラウジングに戻せます。
シークレットモードでの閲覧履歴はどこから確認できる?
シークレットモードでは、ブラウザに閲覧履歴が保存されません。しかし、インターネット上でのアクティビティが完全に見えなくなるわけではなく、以下のような相手から確認される可能性があります。
- ISP(インターネットサービスプロバイダー):シークレットモードを利用してもIPアドレスは隠されず、通信そのものが暗号化されるわけでもありません。そのため、ISPからアクセスしたウェブサイトなどの情報を確認される可能性があります。
- ネットワーク管理者:職場や学校などの共有ネットワークを利用している場合、シークレットモードであっても、ネットワーク管理者からオンラインでのアクティビティを確認される可能性があります。
- ウェブトラッカー:シークレットモードを利用してもIPアドレスは隠されないため、ウェブサイト上のトラッカーによって、Cookieなどを通じてオンラインでの行動を追跡される場合があります。
シークレットモードの履歴を削除する方法
通常のブラウジングモードでは、閲覧履歴やサイトデータが自動的に保存され、ブラウザの設定から手動で削除できます。一方、シークレットモードでは、セッションを終了するとブラウザに閲覧履歴やサイトデータが保存されません。
ただし、DNSキャッシュなど、閲覧に関する情報がデバイスに残る場合があります。こうした情報まで削除したい場合は、手動で削除する必要があります。通常モードではさまざまな閲覧データが保存されるのに対し、シークレットモードは保存されるデータを最小限に抑える機能であり、それだけで完全なプライバシーが確保されるわけではありません。
閲覧に関する情報をできるだけ残したくない場合は、シークレットモードの利用後にデバイス側に残ったデータも削除しておくとよいでしょう。ここでは、シークレットモードの履歴やセッションデータを削除する方法をデバイス別に紹介します。
Windows PCの場合
Windows PCでシークレットモードの履歴を削除する手順は、以下のとおりです。
- スタートメニューを開き、「コマンドプロンプト」を検索します。
- 「管理者として実行」をクリックします。
- 「ipconfig /flushdns」と入力し、Enterキーを押します。
これでDNSキャッシュが消去され、DNSキャッシュに残っていた閲覧に関する情報が削除されます。
Macの場合
Macでシークレットモードの履歴を削除する手順は、以下のとおりです。
- 「アプリケーション」>「ユーティリティ」の順に開き、「ターミナル」を起動します。
- 「sudo dscacheutil -flushcache; sudo killall -HUP mDNSResponder」と入力し、Enterキーを押します。
- Macのパスワードを入力して確定します。
これでDNSキャッシュが消去され、DNSキャッシュに残っていた閲覧に関する情報が削除されます。
Androidの場合
Androidでシークレットモードの履歴を削除する手順は、以下のとおりです。
- Chromeアプリを開き、アドレスバーに「chrome://net-internals/#dns」と入力します。
- 「Clear host cache(ホストキャッシュをクリア)」をタップして、閲覧に関するDNSの記録を削除します。
- 「設定」>「アプリ」>「Chrome」>「ストレージ」の順に進みます。
- 「キャッシュを削除」と「データを削除」をタップして、アプリに残っているセッションデータを削除します。
iPhoneの場合
iPhoneでシークレットモードの履歴を削除する方法は、以下の2つです。
- 機内モードを数秒間オンにしてからオフにし、デバイスに残っている一時的なDNSの記録を消去します。
- iPhoneを再起動して、一時的なDNSやセッションデータを消去します。
注意: さらにプライバシーを保護したい場合は、シークレットモードの利用後に、デバイスのキャッシュやダウンロードしたファイルも定期的に削除しましょう。
閲覧履歴を隠し、オンライン上の匿名性を高める方法
インターネットサービスプロバイダー(ISP)やアクセス先のウェブサイトなどからは、シークレットモードを利用していてもオンライン上のアクティビティを把握される可能性があります。プライバシーをより強化したい場合は、安全かつプライベートにウェブを閲覧する方法の一つとして、VPNを利用するのがおすすめです。
VPNはインターネット通信を暗号化し、実際のIPアドレスを隠すことで、第三者からオンライン上の行動を追跡されにくくします。データを暗号化されたトンネルを通して送受信するため、機密情報を保護しながらより安全にウェブを閲覧できます。
さらにプライバシーを高めたい場合は、シークレットモードとVPNを併用するとよいでしょう。VPNを利用することでIPアドレスに基づく位置情報を隠しやすくなり、シークレットモードだけを利用する場合よりもプライバシーを強化できます。
シークレットモードとゲストモードの違い
シークレットモードとゲストモードは、どちらも閲覧履歴を端末に残しにくくするための機能ですが、利用目的が異なります。
シークレットモードは、自分のブラウザを使いながら、閲覧履歴やCookieなどをセッション終了後に残したくない場合に利用する機能です。通常のブラウザプロフィールを基に利用するため、保存済みのブックマークなど、一部の設定や情報を引き続き利用できます。
一方、ゲストモードは、普段利用しているブラウザプロフィールとは分離された一時的な環境でウェブを閲覧する機能です。既存の閲覧履歴やブックマーク、保存済みのパスワードなどにはアクセスできないため、他人のパソコンを一時的に利用する場合や、自分の端末を他人に貸す場合に適しています。
どちらのモードも、ブラウザ上に閲覧履歴を残しにくくするための機能であり、インターネット上で匿名になるわけではありません。ISPやネットワーク管理者、アクセス先のウェブサイトなどから、オンライン上のアクティビティを確認される可能性があります。
シークレットモードが役立つ場面
シークレットモードは、閲覧履歴やCookieなどをブラウザに残したくない場合に役立ちます。ここでは、シークレットモードが役立つ主な場面を紹介します。
デバイスを共有する場合
家族や同僚などと同じデバイスを共有している場合、シークレットモードを利用すると、閲覧履歴やCookieなどをブラウザに残しにくくできます。
例えば、共有パソコンで自分のアカウントにログインしたり、他のユーザーに見られたくないウェブサイトを閲覧したりする場合に便利です。利用後にシークレットウィンドウをすべて閉じれば、そのセッション中の閲覧履歴やCookieなどはブラウザに保存されません。
ただし、ダウンロードしたファイルや保存したブックマークなどはデバイスに残るため、共有端末を利用する際は注意してください。
複数のアカウントを使い分ける場合
同じウェブサービスで複数のアカウントを利用したい場合にも、シークレットモードが役立ちます。
通常のブラウザとシークレットモードではCookieやログインセッションが分かれているため、通常のウィンドウで1つのアカウントにログインしたまま、シークレットウィンドウで別のアカウントにログインできます。
例えば、仕事用と個人用のアカウントを一時的に使い分けたい場合などに、毎回ログアウトとログインを繰り返す手間を減らせます。
ウェブアプリの開発や動作確認をする場合
シークレットモードは、ウェブアプリやウェブサイトの開発・動作確認にも利用できます。
通常のブラウザに保存されているCookieやキャッシュ、ログイン情報などの影響を受けにくい状態でページを開けるため、初めてサイトを訪問するユーザーに近い環境で表示や動作を確認できます。
例えば、ログイン前後の表示を確認したり、Cookieに依存する機能をテストしたりする際に便利です。ただし、シークレットモードだけですべてのキャッシュや保存データの影響を完全に排除できるわけではないため、必要に応じて開発者ツールなども併用しましょう。
VPNを利用してシークレットモードでの匿名性を高める
シークレットモードでは、ブラウザに閲覧履歴やCookieが保存されません。しかし、IPアドレスを隠したり、ウェブサイトやISPによるオンラインアクティビティの追跡を防いだりすることはできません。
SurfsharkのようなVPNを利用すると、インターネット通信を暗号化し、IPアドレスを隠すことができます。これにより、オンライン上の行動を第三者から追跡されにくくできます。また、Surfsharkは使いやすいインターフェースと高度なセキュリティ機能を備えているため、場所を問わず安全にインターネットを利用できます。
よくあるご質問
シークレットモードの閲覧履歴を削除できますか?
デバイスのDNSキャッシュを消去することで、シークレットモード利用時に残ったDNSの記録を削除できます。
Windowsの場合はコマンドプロンプトを開き、「ipconfig /flushdns」と入力してください。Macの場合は、ターミナルで「sudo killall -HUP mDNSResponder」と入力します。
Wi-Fiの管理者は、シークレットモードでアクセスしたサイトを確認できますか?
シークレットモードを利用していても、Wi-Fiネットワークの管理者やISP(インターネットサービスプロバイダー)から、アクセスしたウェブサイトなどの情報を確認される可能性があります。
シークレットモードの閲覧履歴はWi-Fiの利用明細に記載されますか?
シークレットモードの閲覧履歴がWi-Fiの利用明細に記載されることはありません。ただし、ISPがネットワーク上の通信に関する情報を記録している場合があります。
シークレットモードを解除する方法は?
シークレットモードを解除するには、開いているシークレットタブをすべて閉じて、通常のブラウジング画面に戻ります。Chromeではタブ一覧を開き、シークレットタブを閉じた後、通常のタブに切り替えてください。
iPhoneのシークレットモードをオフにする方法は?
iPhone版Chromeでは、タブ一覧を開いてシークレットタブをすべて閉じ、通常のタブに切り替えることでシークレットモードを終了できます。
Safariを利用している場合は「シークレットモード」ではなく「プライベートブラウズ」と呼ばれます。タブ画面から通常のタブグループに切り替えることで、プライベートブラウズを終了できます。
シークレットモードから普通に戻す方法は?
シークレットモードから通常のブラウジングに戻すには、シークレットタブを閉じて通常のタブを開きます。ブラウザ自体を再起動する必要はありません。
なお、シークレットタブをすべて閉じると、そのセッション中に保存されたCookieやサイトデータなども削除されます。
