ラグほどイライラさせられるものはありません。テンポの速いシューティングゲームだけでなく、ロールプレイングゲームや、ターン制ストラテジーゲームでも、ping値が高いと、マルチプレイヤーゲームがラグだらけになって、台無しになってしまうおそれがあります。そこで朗報です!インターネット接続の制御を取り戻すために試せる方法が、いくつかあります。
ping値とは?ping値が高いとは、どういう意味?
ping値とは、ネットワークの遅延の大きさを表す指標で、デバイスとサーバーの間でデータが往復するのにかかる時間を表します。遅延はミリ秒(ms)単位で測定されますが、オンラインゲームの勝敗を分けることもあります。
具体的に見ていきましょう。
- ping値10msとは、リクエストを出してからレスポンスが戻ってくるまでの時間が、わずか10ミリ秒であることを意味します。この場合、ゲームの反応はとても速く感じられます。
- ping値150msになると、遅延が目立つようになり、アクションが実行されるまでのごく短いラグに、イラっとさせらることがあります。
- ping値が300msを超えると、コマンドを入力してから画面上にアクションが見られるまでに深刻な遅延が生じるようになり、オンラインゲームをプレイすることはほぼ不可能になります。
ping値はさまざまなインターネットアクティビティ(ビデオ通話やネット閲覧など)にとって重要ですが、リアルタイムのオンラインゲームでは、特に重要になります。ゲームの世界は、はるか遠い土地のサーバーの中にあるため、プレイヤーのアクションはすぐには反映されません。他のプレイヤーにとっても事情は同じです。本来なら、全員のアクションが同期されていなければなりません。
高いping値がゲームに与える影響
ping値に伴う遅延の問題は、いくつかの形を取ることがあり、その深刻さも異なります。具体的に見ていきましょう。
- アクションの遅延(入力ラグ): ウォーゾーン、エーペックスレジェンズ、フォートナイトなどのテンポの速いゲームでは、ping値が高いと、自分の射撃が相手の射撃より遅れて認識されることがあります。その場合、自分が先に撃ったように見えても、サーバーでは相手の射撃の方が先に認識され、戦闘に負けてしまうことになります。
- ゴムバンド現象:この現象は、ラグのせいで、ゲームがプレイヤーの位置を修正しようとするときに発生します。前に進んだと思ったのに、突然、前の場所に戻ってしまう現象です。こうなるとゲームの中での動作が不安定で予測できないものになり、正確なアクション(身を躱したり照準を定めたりすること)が非常に困難になります。
- 同期ずれの問題:マルチバースハブやバトルロイヤルゲームなど、同時にプレイする人数が多いゲームでは、ping値が高いと、同期ずれの問題が発生することがあります。つまり、画面に表示されている状態と、サーバーで実際に展開している状況が一致しなくなります。ある場所に敵が見えていても、実際に(サーバーの中で)は別の場所にて、撃っても命中せず、逆に不意打ちを受けて死んでしまうかもしれません。
- ゲームのフリーズと接続切れ:深刻なラグが発生すると、ゲームが一時的にフリーズしたり、ゲームサーバーとの接続が切れたりすることがあります。ゲームによっては、他のプレイヤーのスムーズなプレイを妨げないよう、ping値が高いプレイヤーを自動的に排除するものもあります。
ping値の確認方法
ほとんどのオンラインゲームでは、設定画面またはHUD(ヘッドアップディスプレイ)で、ping値をリアルタイムで確認することができます。主な人気ゲームでping値を確認する方法は以下のとおりです。
- ヴァロラント:
- Escキーを押し>設定に移動>統計に進み、ネットワークのラウンドトリップタイム(Network Round Trip Time)を有効化します
- CS:GO:
- コンソール(~)を開き、net_graph 1と入力します。
- フォートナイト
- 設定>ゲームUI>ネットデバッグ統計をオンにします
- リーグ・オブ・レジェンド:
- ゲーム中にCtrl+Fを押すと、応答速度(FPS)とping値が表示されます。
- コール オブ デューティー ウォーゾーン:
- 設定>アカウントとネットワーク>接続メーターを表示と進みます。
ゲームにping値を表示するオプションがない場合は、第三者製ツールを使って、ネットワークの遅延を監視することができます。
ping値を下げる方法:実践的な8つのヒント
ここまで、ping値とは何かを見てきました。ここからは、今すぐ実行できる具体的な対策について詳しく見ていきましょう。遅延を抑え、ラグスパイク(遅延の急上昇)を解消し、再びスムーズにゲームを楽しめるようにするには、どうしたらいいでしょうか。
1.ケーブル接続に切り替える(またはWi-Fi設定を改善する)
Wi-Fiは便利ですが、ゲームをする環境としては、必ずしも最適とは言えません。無線信号は壁、家具、さらには家電製品などによって容易く妨害されてしまい、遅延の急上昇を引き起こすおそれがあります。その一方で、ケーブルを使ったイーサネット接続は、デバイスとルーターを直接接続することで、接続の安定と信頼性を確保し、遅延を最小限に抑えられ、快適なゲーム環境につながります。
解決方法:
- イーサネットケーブルを使って、PC、ゲーム機、ゲームに使っているノート型パソコンを、直接ルーターに接続しましょう。
- 部屋をまたいでケーブルを配線できない場合は、ご家庭の電気配線を使ってネットワーク信号を伝送する電力線通信アダプター(PLCアダプター/コンセントLAN)を検討してみましょう。
- どうしてもWi-Fiに頼らざるを得ない場合は、混雑の少ない5GHz帯を使用して、ルーターをご自宅中央の高い位置に設置し、壁や干渉源からは離しましょう。
✓結果:ping値が大幅に低下し、常に安定したインターネット接続が確保できます。
2.ルーターを定期的にアップグレードまたは再起動する
ルーターが古い場合や、複数の接続デバイスを常に処理している場合、ルーターの性能が低下し、遅延の問題が発生するおそれがあります。時間の経過とともに、ルーターはキャッシュデータを貯め込み、パフォーマンスも低下することがあるため、定期的に再起動することは効果的です。また、古いルーターは、最新のオンラインゲームの需要に対応しきれないおそれもあります。
解決方法:
- ルーターやモデムは、週1回ぐらいのペースで再起動し、キャッシュをクリアしてパフォーマンスを向上させましょう。
- 現在ご使用のルーターが5年以上前のものであれば、ルーターのアップグレードを検討しましょう。帯域幅管理に優れ、デュアルバンドやWi-Fi6に対応した、ゲーム向けの最新ルーターが良いでしょう。
- インターネットサービスプロバイダー(ISP)から届けられた初歩的な機器から、もっと高品質なモデルに交換しましょう。
✓結果:遅延が抑えられ、ゲームの動作がスムーズになり、ネットワーク管理も全体的に改善されます。
3.バックグラウンドアプリを制限し、使用していないデバイスの接続を切る
多くのアプリが、バックグラウンドで静かにアップデートやバックアップを実行しており、ユーザーが気付かないうちに帯域幅を消費したりping値を上げたりしてしまっています。これと同じように、スマートフォン、タブレット、スマートテレビ、さらにはセキュリティカメラなど、ネットワークに接続されたあらゆるデバイスが、限られた帯域幅を奪い合うことで、遅延の急上昇につながり、ゲームプレイが台無しになってしまうことがあります。
解決方法:
- ゲームをする際は、自動更新アプリ、ストリーミングアプリ、クラウド同期サービスなど、不要なプログラムは閉じておきましょう。
- 使用していないデバイスやアイドル状態のデバイスがあれば、Wi-Fiネットワークから一時的に切り離しましょう。
- WindowsやMacをご利用なら、タスクマネージャーやアクティビティモニタを定期的に確認し、帯域幅を大量に消費している隠れたアプリを見つけ、停止しましょう。
✓結果:使える帯域幅が増え、ping値が下がり、より安定したネット環境でゲームがプレイできます。
4.最寄りのゲームサーバーに接続する
サーバーまでの距離は非常に重要です。地球の反対側にあるサーバーでプレイすると、データの物理的な移動距離が長くなり、ゲーム内のアクションに大きな遅延が生じます。ゲームが接続サーバーを自動的に選択することは、よくあることですが、それが必ずしも最適なサーバーであるとは限りません。できるだけ近距離のサーバーに接続することで、ping値を大幅に下げることができます。
解決方法:
- ゲームの設定で、最寄りのサーバーを手動で選択しましょう。
- ゲームで手動設定ができない場合は、ゲーム用VPN(仮想プライベートネットワーク)を利用して、より近い距離にあるサーバーに接続することで、ping値を下げられることがあります。
✓結果:データパスが短くなることで、ゲームプレイ中の応答時間も著しく短くなります。
免責事項:Surfsharkのサービスを違法行為に使用することは固く禁じられており、利用規約に反しますので、ご注意ください。Surfsharkのサービスを特定の活動に利用する際は、関連する一切の法令・規制を必ず遵守するようにしてください。これには、Surfsharkを通してアクセスするサービスプロバイダーやウェブサイトの規約も含まれます。
5.インターネットトラフィックのピーク時や混雑したサーバーを避ける
夜間や週末などのピーク時には、サーバーやネットワークが混雑することで、ゲームのパフォーマンスが大幅に低下することがあります。インターネットサービスプロバイダ(ISP)も、こうした混雑時に帯域幅を制限することがあり、ますますラグがひどくなることがあります。
解決方法:
- オフピーク時(早朝または深夜)にゲームを楽しむようにしてみてください。
- いつもサーバーが混雑していてゲームの使い心地が良くない場合は、混雑していないサーバーに切り替えるか、インターネットサービスプロバイダ(ISP)がゲーム向けのプランを提供していないかチェックしてみましょう。
✓結果:ネットワークの混雑を回避することで、ping値が下がり、スムーズにゲームがプレイできるようになります。
6.ルーターのクオリティ・オブ・サービス(QoS)を有効にする
クオリティ・オブ・サービス(QoS)とは、ダウンロードやストリーミングといった緊急度の低いインターネットアクティビティよりも、ゲームデータなど、より重要なネットワークトラフィックを優先する技術です。QoSを有効にしていないと、優先度の低いトラフィックにゲームデータが埋没してしまい、通信速度が一見速いように見えても、遅延の急上昇につながることがあります。
解決方法:
- ルーターの設定(一般に192.168.1.1など)にログインします。
- QoS設定を開き、ゲーム用のデバイスや、いつもプレイしている特定のゲームを優先するように設定します。
✓結果:ゲームトラフィックが優先されるため、他のプログラムがネットワークをさかんに使用している際も、ゲームのラグは抑えられます。
7.インターネットサービスプロバイダ(ISP)によるルーティングの問題を解決するためVPNを利用する
インターネットサービスプロバイダ(ISP)が非効率なルートを辿ってゲームサーバーにアクセスしていることがあり、それによりping値が上がることがあります。ゲーム向けに最適化されたVPNなら、混雑の少ないルートを辿ってより速くデータをルーティングすることができます。インターネットサービスプロバイダ(ISP)が帯域幅制限を行ってゲームトラフィックを制限しているときも、この方法が有効な場合があります。
解決方法:
- 評価の高いVPNを選択して、ping値が改善されるか試してみましょう。
- 特に改善が見られない場合は、VPNを無効にすればよいのです。
✓結果:ルーティングを最適化し、インターネットサービスプロバイダ(ISP)による帯域幅制限を回避することで、ping値が下がることがあります。
8.インターネットの利用プランをアップグレードして通信速度を上げる
これまで見てきた方法のどれを試してもping値が高止まりして下がらない場合は、インターネットプラン自体がボトルネックになっている可能性があります。多くのインターネット利用プランでは、特に複数のデバイスがネットワークに定期的に接続するような場合に、競争力のあるオンラインゲームに必要とされる速度や遅延レベルに対応できないことがあります。
解決方法:
- インターネットの通信速度をテストし、現在のダウンロード・アップロード速度、遅延のレベルを測定してみましょう。
- インターネットサービスプロバイダ(ISP)に問い合わせて、ゲーマー向けの高速プランやオプションに切り替えることを検討してみましょう。
- 可能であれば、光ファイバーインターネットへのアップグレードを検討しましょう。光ファイバーは、各種ブロードバンドの中でも、最も遅延が少なく、安定性に優れています。
✓結果:インターネットの通信速度が向上し、遅延が大幅に抑えられ、オンラインゲームの使い心地が全体的に改善されます。
ゲームに適したping値とは?
ここまで、ping値を下げる方法を見てきました。ここからは、ゲームに適したping値とは具体的にどれぐらいなのか、見ていきましょう。ゲームのジャンルによって許容レベルは変わりますが、基本的原則はシンプルです。低ければ低いほど良いのです。
Ping値(ms) | ゲームの使い心地 |
---|---|
0~30ms | 優秀:遅延はほとんど感じられず、対戦ゲームにも最適 |
30~50ms | 非常に良好:遅延が最小限で、ほとんどのプレイヤーが問題に気付かない |
50~100ms | プレイ可能:わずかな遅延はあるものの、ほとんどのゲームで問題なくプレイできる |
100~150ms | 標準以下:特にテンポの速いゲームでラグが目立つ |
150ms~ | 不良:遅延が大きく、リアルタイムゲームではイラっとさせられるか、プレイできない |
ゲーム種別推奨ping値
オンラインゲームの種類ごとに、さらに詳しく見ていきましょう。ゲームのジャンルによってping値への対応も異なります。わずかな遅延も許されないゲームもあれば、ping値が比較的高くても大した影響を受けないゲームもあります。
シューティングゲーム:~50ms
- ヴァロラントやPUBGなどのゲーム、更にはリーグ・オブ・レジェンドのようなゲームでも、瞬時に反応することが求められます。
- 50msの遅延でさえ、戦闘の勝敗を分ける可能性があります。
- 100msを超えると、ラグが感じられるようになり、射撃の遅れや同期ずれといった問題が発生します。
格闘ゲーム:~30ms
- ストリートファイター、鉄拳、モータルコンバットなどの格闘ゲームでは、フレームパーフェクトな正確なタイミングが求められます。
- 20~30msの遅延でも、コンボや反撃が台無しになるおそれがあります。
- 80msを超えると、格闘ゲームの動作が重く感じられ、プレイできなくなることもあります。
スポーツゲームおよびレーシングゲーム:~80ms
- FC(FIFA)、ロケットリーグ、グランツーリスモ、Forza Horizonなどのゲームでは、スムーズな動きと素早い反応が求められます。
- 50~80Msであればプレイ可能ですが、100msを超えるとゴムバンド現象が発生し、ハンドル捌きやボールキックに遅延が生じるようになります。
大規模マルチプレイヤーオンラインゲーム(MMO)およびロールプレイングゲーム(RPG):~150ms
- ワールド オブ ウォークラフト、ファイナルファンタジー XIV、エルダー・スクロールズ・オンラインなどの大規模マルチプレイヤーオンラインゲーム(MMO)では、プレイヤーと環境とのインタラクションがゲームの使い心地に大きく影響するため、ping値が高くてもゲームに支障をきたすことはありません。
- 200msを超えると、技の発動が遅れたり、ゴムバンド現象や接続切れが発生したりして、激しいシナリオのプレイが難しくなり、対戦プレイはできなくなります。
ストラテジーゲームおよびターン制ゲーム:~200ms
- Chess.com、シヴィライゼーション、ハースストーンなどのゲームはとっさの反応を必要としないため、ping値が高くても大きな問題にはなりません。
- ゲーム操作がリアルタイムである必要がないため、300ms以上でもプレイできます。
結論:ping値を制御しよう
ここまで、まずping値とは何か、そして、なぜそれが重要なのかを、詳しく見てきました。ここからは、ping値を下げられる確実なツールについて、ご案内いたします。インターネット接続を最適化するためにも、ゲームの設定を調整するためにも、1ミリ秒も疎かにはできません。必ずしも必要ではないにしても、信頼性の高いゲーム用VPNを利用すると、より直接的で安定したルートでゲームサーバーにアクセスでき、ping値を下げるのに役立つ場合があります。ここまで紹介してきたヒントのうち、いくつかを試すだけでも、スムーズで高速なゲーム操作を取り戻すことができるでしょう。
よくある質問
ping値700はどれくらい悪い状態ですか?
ping値700msは非常に高い値とされ、オンラインゲームではラグが目立ち、プレイが難しくなったり、イライラさせられたりします。スムーズにゲームを楽しむなら、ping値50ms未満が理想です。
ping値ゼロでアカウント停止になることはありますか?
現実の問題としてping値ゼロを実現することはできません。わずかであっても、遅延は必ず発生します。(エクスプロイトやチートなどを使って)人為的に接続を操作して、ping値がゼロであるかのように見せかけると、ルール違反に該当し、アカウントを停止されるおそれがあります。
ロブロックスでping値を下げる方法は?
ロブロックスでping値を下げるには、ケーブルのイーサネット接続を使い、帯域幅を消費するバックグラウンドアプリを閉じて、地理的に近距離にあるサーバーでプレイしましょう。また、お使いのネットワークドライバーやシステムが最新状態になっているか確認しましょう。
インターネット接続は良好なのに、どうして遅延が高くなるの?
インターネット接続が良好なのに遅延が大きくなる原因としては、ネットワークの混雑、インターネットサービスプロバイダ(ISP)によるルーティングの問題、同一ネットワーク上にあるデバイスが多すぎる、などが挙げられます。ダウンロード速度が速くても、これらの問題があればゲームの反応が遅くなることがあります。
ping値が高いのは良いこと?悪いこと?
ping値が高いと、プレイヤーの操作とゲーム内での動作の間に遅延が生じるため、オンラインゲームには悪影響です。その結果、シナリオに対応できなくなり、不利な状況に陥ることになります。
VPNはPing値の改善に効果がありますか?
特にインターネットサービスプロバイダ(ISP)によるルーティングが非効率な場合などに、VPNは、より直接的なルートでゲームサーバーにアクセスすることで、ping値を下げられる場合があります。ただ、その効果は一様ではなく、本来VPNは、プライバシー保護や旅先から普段使いのコンテンツを安全に利用するのに最適なツールです。