VPNを利用すると、インターネットの通信速度は遅くなります。有料VPN(仮想プライベートネットワーク)を利用すると、速度低下はあまり目立ちません。ただし有料・無料に関わらず、VPNは暗号化のために一定の帯域幅を使用するため、通信速度は遅くなります。暗号化しなければ、VPNは単なるVN(仮想ネットワーク)に過ぎません。ここでは手短に説明しましたが、VPNによってiPhone、ノート型パソコン、またはPCの通信速度が遅くなる理由について、記事の中で詳しく見ていきましょう。
目次
VPNを利用すると、ネットの通信速度は遅くなるか?
VPNは、トラフィックをVPNサーバー経由でルーティングすることで、接続に一手間かけるため、ネットの通信速度を下げます。また、データ暗号化には一定の帯域幅を必要とします。とはいえ、優秀なVPNプロバイダーを選べば、その影響はほとんど眼につきません。
例えば、ダウンロード速度が100Mbpsの場合、VPNに接続すると80Mbpsに低下します。
- いつも通りのネット閲覧。違いを感じることもないでしょう。
- ストリーミング。引き続き快適に実行することができます。
- ダウンロード。変化に気づくかもしれませんが、それほど大きくはありません(速度が上がる場合もありますが、それについては後で説明します)。
また、常にそうであるとは限りません。近くのVPNサーバーに接続すれば、VPNによる通信速度の変化は、さらに小さくなる可能性もあります。
このため、ネットの通信速度とVPNサーバーまでの距離は、非常に重要です。お手軽なヒント。有線接続で最寄りのサーバーに接続してみましょう。
VPN接続でネットの通信速度が下がる理由は?
最も一般的な理由は、VPN自体の基本機能です。暗号化プロトコルに必要なオーバーヘッド、サーバーまでの距離、サーバーの混雑は、いずれも通信速度を低下させる要因となります。
速度低下の理由について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
暗号化プロトコル
接続のプライバシーを守るため、VPNは暗号化プロトコルを運用しています。暗号化の実行には、若干の帯域幅消費が伴います。暗号化プロトコルが高度であればあるほど、より多くの帯域幅が必要になります。Surfsharkのような有料VPNは、VPNの業界標準である AES256暗号化を運用しています。
どこか海外へお出かけしているとしましょう。空港がこれほど厳重なセキュリティ対策を取っていなければ、移動時間は大幅に短縮されることでしょう。しかしその結果、旅行者の身を危険に晒すことになります。このため、運輸保安局のせいで移動時間が長くなるのと同様に、VPNサービスのせいでネットの通信速度も下がることがあるのです。それでも結局は、それに値すると言えます。
VPNサーバーの位置
距離は、VPNを利用して位置情報を変更する場合に考慮すべき重要な要素です。遠くのVPNサーバーを選択するほど、VPNの通信速度も下がります。このためSurfsharkは、通信速度が最速のサーバーに自動的に接続しますが、ほとんどの場合それは地理的に一番近いサーバーということになります(ユーザーがお住まいの国にあるか、地理的に最も近い国にあるサーバーのいずれか)。
旅行の例え話に戻りましょう(何とも直感的ですが)。2,000マイル離れた目的地に飛行機で行くほうが、5,000マイル離れた目的地に飛行機で行くよりも、早く到着できます。
VPNサーバーの容量と混雑
もう1つの考慮すべき点は、サーバーの容量です。人気のVPNサーバー (ニューヨークやロサンゼルスなど) に接続している場合、サーバーは混雑していることが多く、通信速度は遅くなります。
私たちはまだこうして旅行中です。目的地に到着しました。素晴らしいですね。あとは空港からホテルに移動するだけです。正確な道順は分かっていても、不意に渋滞に捕まってしまうこともあります。そうなると、ホテルまでの移動時間が通常よりもかかってしまうでしょう。確かに煩わしいですが、これも旅行あるあるの1つで、渋滞はつきものです。
細かい手仕事がお好きな方には、通信速度が遅過ぎる問題のトラブルシューティング方法について、サポートガイドをご用意しております。
VPNインターネットの速度低下を回避する9つのヒント
VPNによりネットの通信速度が極端に低下することを回避する方法は、いくつかあります。これらの方法をお試しいただき、極上の使い心地を実現してください。
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接続先を切り替える
これが最も簡単な方法です。VPNの通信速度は距離の影響を受けるため、最寄りのサーバーまたは近隣にある他のサーバーに接続してみてください。
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無料VPNの利用を避ける
無料VPNプロバイダーは、有料VPNと比較して、設置しているサーバー数が少なく、常に混雑しています。その結果、ネットの通信速度が眼に見えて低下することがよくあります。
サーバーの維持には費用が掛かるものですが、無料VPNプロバイダーには、それを賄う余裕がないため、このようなことになるのです。機会さえあれば他のところから収益を得ようとするため、一般に、押しつけがましい広告を表示させたり、データを収集して売りさばいたりするようなこともあります。
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別のプロトコルを試す
ほとんどのVPNアプリは、複数の暗号化プロトコルで動作することができます。プロトコルを変えれば、暗号化する方法を変えることになります。たとえば、OpenVPNはセキュリティを強化するためなら、リソースを犠牲にすることを全く意に介しません。IKEv2またはWireGuardに切り替えれば、セキュリティを損なうことなく、通信速度を向上させることができます。
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お手元のブラウザをクリーンアップする
場合によっては、インターネットではなくブラウザが通信速度を下げていることもあります。これに該当するかどうかは、弊社のブラウザクリーンアップガイドで、ご確認いただけます。「私のブラウザはなぜこんなにのろいの?」
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デバイスを再起動します
VPNを実行しているPC、携帯電話、タブレット、その他のデバイスに、ソフトウェアに関する問題があるおそれがあります。再起動してみてください。
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ルーターを再起動します
「一度電源を切ってからもう一度オンする」という古き良き方法は、今日なおも驚異的な力を持っており、おそらくこれからも長期にわたってそうあり続けるでしょう。ですのでルーターでそれを試してみてください。
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不要なソフトウェアを切る
何らかのソフトウェアが帯域幅を使用している可能性もあります。重要でないいくつかのプログラムをオフにしてみて、事態が改善するかどうか、確認してみましょう。
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ハードウェアを更新する
スマートフォンも、ノート型パソコンも、ルーターも、経年劣化するわけではありません。その一方で、Webサイトやアプリはますます大量のリソースを消費するようになっています。このため、技術基盤をアップグレードする時期が来たのかもしれません。こうなれば、携帯電話やノート型パソコンを最新のものに買い替えることを考える必要があります。
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有線化する
Wi-Fiは確かに便利です。デバイスをどこにでも持ち運べるし、インターネットに接続することもできます。ただしWi-Fi接続では、複数のチャンネルを共有する必要があるため、通信速度は遅くなります。実際、ケーブルを使用した方が、ネットの通信速度は速くなります。このため、有線化が可能であるなら、検討する価値があります。
これらの方法について、さらに詳しくお知りになりたい場合は、Surfsharkのガイド「VPNの通信速度を上げる方法」をぜひお読みください。
VPNはネットの通信速度を上げることができるか?
はい。VPNによって、ネット接続が強化され、通信速度が向上する場合もあります。
帯域幅の利用が過ぎると、インターネットサービスプロバイダー(ISP)がネットの通信速度を抑制する(いわゆるスロットリング)ことがあります。スロットリングは、ファイルのダウンロード時や、オンラインコンテンツのストリーミング時に、よく発生します。ネットユーザーにとってはあまり認めたくない現実ですが、インターネットサービスプロバイダーはユーザーから収益を上げることを考えています。このため、帯域幅を極端に使用する人がいれば、それを阻止したくなるものです。
ただし、解決策はあります。VPNを利用すると、ユーザーのアクティビティは、インターネットサービスプロバイダーの眼からは見えなくなります。特定のユーザーが他のユーザーより多くの帯域幅を使用していることは把握できなくなり、そもそも、ユーザーのトラフィックをまったく見られなくなります。その結果、いつだれにスロットリングをかけるべきか、タイミングを掴むこともできなくなります。また、VPN接続の通信速度が向上する場合もあります。
通信速度に影響を与える主な要因について、詳しくは動画をご覧ください。通信速度テストをお試しいただける特典付きです。
では、VPNを利用すると、ネットの通信速度はどれぐらい遅くなるのでしょうか?
VPNがネットの通信速度にどのような影響を与えるのか、テストすることは非常に簡単で、時間もかかりません。
- まず、ネットの通信速度をテストできるWebサイトを見つける必要があります。ほとんどの方がOoklaを利用しているため、Ooklaがお勧めです。まずはVPNなしでテストを行います。これが通信速度の基準値であり、これより速くなる可能性はあまりありません。
VPN接続前の通信速度テスト
- 次に、VPNサーバーに接続します。Surfsharkのようなアプリをお持ちの場合は、最寄りのVPNサーバーに自動的に接続します。当然のことながら、これは地理的に一番近いサーバーになりがちです。
- テストを再実行します。通信速度が若干遅くなっていることに気づくかもしれませんが、ほとんど目立ちません。
- さらにいくつか実験してみることもできます。いくつか遠くにあるVPNサーバーを経由してみましょう。サーバーまでの距離が遠くなるほど、通信速度も下がるという、パターンに気づかれるでしょう。
インターネットサービスプロバイダーがスロットリングを行っているか調べることもできます。
- まず、VPNなしでNetflixのFast.comテストを行ってみてください。次にVPNを経由して、違いがあるかどうか確認します。
- インターネットサービスプロバイダーが他のサービスをブロックしていないか確かめたくありませんか?さまざまなテストが行える無料のWehe通信速度テストアプリをダウンロードしてください。Weheプロジェクトは大学の後援を受けています。このアプリは、ネット中立性違反を調べるためのツールです。
結論:VPNの通信速度には単なる通信速度以上の意味があります
VPNを利用しても、ネットの通信速度が大幅に下がることはありません。場合によっては速度が上がることもあります。
VPNの通信速度を上げたいなら、サーバーを切り替えるか、プロトコルを変えることができます。こうしたアプローチには、当然、多数のサーバーとプロトコルを擁するVPNが適しています。Surfsharkをお勧めできますでしょうか?
よくある質問
自宅で業務用VPNの通信速度が下がるのはなぜ?
ご自宅でVPNのパフォーマンスが下がることがあるのは、大抵の場合、職場のネット環境が、業務用VPNに最適になるよう設定されているためです。ご自宅で通信速度が極端に下がるようなら、気軽に設定を変更してみるか、御社のIT部門に問い合わせてご自宅の環境設定を最適化しましょう。
Androidの通信速度が遅い問題の解決方法をお求めか、または、Windowsの通信速度が遅い問題にお悩みなら、心配ご無用です。それぞれについてガイドをご用意してあります。
ネットの通信速度が遅くならないVPNはどれ?
通信速度が下がらないVPNは存在しません。VPNのせいで通信速度が下がるのは避けられません。ただし、Surfsharkのような有料のVPNを選択すれば、通信速度の低下はあまり気になりません。
VPNを利用すればiPhoneのネット接続も遅くなるか?
はい。VPNを利用すると、iPhoneのネット接続も遅くなります。デバイスの性能により、遅くなることが他の機種よりも多いようです。VPNを利用するとデバイスの動作が通常より遅くなるようなら、iOSのネット接続が遅い問題を解決する方法をご確認ください。
VPN利用時のネット接続を早くする方法は?
以下の対応が簡単です。
- WireGuardに変更するか、OpenVPNを使用している場合は伝送プロトコル(TCP/UDP)を切り替える。
- デバイスやルーターを再起動する。
- 無線接続から有線接続に変更する。
それでもまだ、VPNの遅さにお悩みでしたら、まだまだできることはあります。
適正なVPNの通信速度とはどれぐらいか?
適正なVPNの通信速度とは、主観的なもので、お手元の要件によって異なります。好みのアクティビティ(ストリーミング、ゲーム、一般的なネット閲覧など)に基づいてVPNをお試しいただき、ニーズに合わせて、速度とセキュリティの最適バランスをもたらすVPNを選ぶことがお勧めです。 通信速度は以下の影響を受けます。
- 通信速度。
- サーバー所在地。
- サーバー容量。
- 暗号化とプロトコル。
- インターネットサービスプロバイダ。
免責事項:違法行為のためにSurfsharkサービスを使用することは固く禁じられており、当社の利用規約に違反しますので、ご注意ください。何らかの活動にSurfsharkのサービスをご利用いただくにあたっては、関係する法令・規制を必ず遵守してください。これにはSurfsharkを利用してアクセスするサービスプロバイダーやWebサイトの定める利用規約なども含みます。