だれでも VPN(仮想プライベートネットワーク)を利用することができます。ですが VPN にはどのような種類があるか、ご存知でしょうか? Surfshark などのブランドのことではなく、VPN の種類のことです。リモートアクセス VPN、拠点間 VPN、パーソナル VPN など、例を挙げればきりがありません。そこで、もう少し深く掘り下げて、それらがどのように異なるかを見ていきましょう。
目次
ユースケースにより分類される VPN の種類
VPN の種類は VPN サービスと同じではありません。自動車に例えてみましょう。VPN を自動車全般に見立てるなら、VPN の種類とは、ハッチバック車、セダン、SUV といった自動車の種類に相当します。それらは実装や機能の面で異なります。
VPN サービスとは、自動車メーカーのようなものです。お客様がお宅でご利用の自動車がヒュンダイ、フォード、サンヨン製であるのと同じで、VPN も Surfshark、Nord、またはその他の会社が提供しています。
この例えでお話しするなら、無料 VPN は、4つの車輪が付いているだけのただの箱です。しかも車輪のひとつは緩んでいるかもしれません。
また、最高技術責任者(CTO)を筆頭に、弊社の技術屋は、VPN の種類はもっと厳密に分類すべきだとか、SI システム承認表がないなどと、言うかもしれません。とにかく、従業員たちはそれを好きでやっているので、どうぞお構いなく。私どもの見解は次のとおりです。
リモートアクセス VPN — 企業および個人向け
リモートアクセス VPN を利用することで、ユーザー(お客様自身)はネットワークに安全かつリモートでアクセスすることができます。.ビジネスシーンでこの機能をいちばん応用できるのは、在宅ワーク時に職場のネットワークにアクセスするときです。
リモートアクセス VPN はどのように機能するか?
リモートアクセス VPN では、お手元のデバイス上に、クライアントアプリをインストールする場合があります。このクライアントアプリが、VPN サーバーにつながる安全な VPN トンネルを確立します。クライアントアプリとサーバー間でやり取りされるデータはすべて暗号化されるため、パブリックネットワークである通常のインターネットに接続していても、データを監視される心配がなくなります。
その意味するところは?
企業にとってそれは、データと、アロマキャンドル製造工房の秘技を安全に守れることを意味します。
個人にとってそれは、データを安全に守ることを意味します。多くの商用 VPN は、動作方法が同じです。ユーザーが VPN サーバーに接続すると、VPN サーバーのネットワークにもアクセスできるようになります…そのネットワークが、実はインターネットそのものである!という仕組みです。
その結果、次のようなメリットが得られます。
- Web サイトやサービスは、サーバーの IP アドレスを記録するため、サーバーの所在地をユーザーの所在地であるかのように認識します。
- ファイアウォールやその他のブロック機能は、ユーザーが YouTube や Roblox に接続しているのではなく、VPN サーバーに接続していると認識するため、接続を妨げません。
拠点間 VPN — 大企業向け
拠点間 VPN は、リモートアクセス VPN の兄貴分です。これは、ふたつの企業のプライベートネットワークを接続するためです。
ひとつの企業が自社ネットワークに入ると、キリバスの営業所がワルシャワの営業所と接続されているかもしれません。これは、イントラネットベースの拠点間 VPN と呼ばれます。エクストラネットベースの VPN では、ある企業が別の企業に、業務提携に必要な特定のデータに限って、アクセスを許可していることがあります。 拠点間 VPN は、ルーター間 VPN と呼ばれることもあります。
拠点間 VPN は設定が複雑であるため、主として大企業で運用されています。
拠点間 VPN はどのように機能するか?
ふたつの企業のプライベートネットワークを接続するため、拠点間 VPN ではよくルーターが利用されます。
ひとつのルーターは、クライアントアプリのように動作し、もうひとつのルーターは、クライアントアプリが接続するサーバーのように動作します。このため、単純に携帯電話やパソコンにクライアントアプリをインストールするだけのリモートアクセス VPN よりも複雑になります。
パーソナル VPN — 個人消費者向け
パーソナル VPN は、ユーザーが ホームネットワークに安全にアクセスするために設定する VPN です。たとえば、自宅のプリンターに命令して印刷を実行させたいとします。このような場合、パーソナル VPN 接続を通せば安全です。
その一方で、Surfshark のような消費者向け VPN サービスは、個人のお客様(言ってしまえば個人)が利用することを意図しているため、心理的には パーソナル VPN サービスと呼べるかもしれません。
パーソナル VPN はどのように機能するか?
ユーザーは、VPN アプリをダウンロードし、任意のサーバーに接続します。ユーザーの側ですべきことは、これだけです。一切のデータの暗号化と復号化を、サーバーと、デバイス上のクライアントアプリが行います。
したがって、パーソナルアクセス VPN の機能は、リモートアクセス VPN の機能と似ています。ただし、リモートアクセス VPN がかなり小規模な企業ネットワークに対して開かれているのに対し、パーソナル VPN はインターネットに対して開かれている点が異なります。
企業向け VPN — あらゆる業種の企業様向け
企業向け VPN は、リモートアクセス VPN および拠点間 VPN のカテゴリと主に重複します。つまるところ、これらの VPN は、企業にとって魅力的な機能を提供できるものの、立ち上げに必要なリソースが大規模で、普通、企業でなければ揃えられないようなものになります。ただし、アクセスコントロール VPNは、企業向け VPN の範疇に含まれるものの、別タイプの VPN であると言えます。
企業向け VPN はどのように機能するか?
アクセスコントロール VPN は、特定の企業データへのアクセスを隔離するために存在します。たとえば、営業部門向けに作成された VPN では、ユーザーはマーケティングに役立つとマークされたデータに限ってアクセスできます。その一方で、技術部門向けには、技術関連の資料に限って閲覧できるアクセスコントロール VPN のブランチを設けることができます。
価格で分類する VPN の種類 – プレミアム VPN、格安 VPN、無料 VPN
VPN のフロンティアへようこそ!ここで取りあげるのは、消費者向け VPN です。Surfshark もこれに含まれますし、この記事を読んでいらっしゃるお客様が今ご利用になっている VPN もこれに該当します。プレミアム VPN は、格安 VPN や無料 VPN と同じように、純粋に価格のみによって分類されます。この種類の VPN では、お好みに応じて、前章でご紹介した機能を、いくつか組み合わせることもできます。
真の違いは、プレミアム VPN(ここではサブスク料金を請求するすべての VPN を含む)と無料 VPN の間に存在します。最近、プレミアム VPN も安くなってきており、格安 VPN はもはや、あまり意味をなしていません。
しかし消費者から見れば、どちらを選択すべきかは判然としません。無料を選ぶ方もいらっしゃるでしょう。ですが、無料 VPN はあらゆる点でプレミアム VPN に劣ります。サーバー台数、サーバー設置場所、通信速度、速度制限の有無、アプリの使いやすさ、サポートされているプラットフォームなど、機能全般にわたり、プレミアム VPN のほうが常に優れています。
最高水準の無料 VPN の限界(Techradar のデータによる) | 比較対象の有料 VPN(Surfshark) | |
---|---|---|
サーバー | 1~50か国超 | 3200台超 |
サーバー設置国 | 1~20か国超 | 100 |
データ制限 | 500Mb/月*~10GB/月 | なし |
~** | なし | |
24時間年中無休のサポート | なし*** | あり |
VPN プロトコルの種類とその最適解
ご利用になる VPN の種類とは関係なく、VPN プロトコルのお話です。自動車の例え話に戻るなら、VPN プロトコルはエンジンのようなもので、自動車全体の機能を司ります。またエンジンと同様に、数々の VPN プロトコルが開発、改良され、他のプロトコルに取って代わり、時代遅れのものは駆逐されていきました。
IPSec – インターネットプロトコルセキュリティ
IPSec は、厳密に言えば、それ自体はVPN プロトコルではありません。VPN が機能するために必要な安全なトンネルを作成することはできますが、安全な通信を確立することはできません。これが、IPSec/IKEv2(ほとんどの場合 IKEv2 と呼ばれる)のほうが人気がある理由です。前者はトンネリングを実行し、後者はトンネリングを確立するための基礎を設定します。
要点:IKEv2 は最新とは言えないものの、まだ問題になるほど旧式ではなく、モバイルユーザーにとっては一定の有効性があります。
L2TP – レイヤ2トンネリングプロトコル
L2TP は、この業界で最新鋭というわけではありませんが、最古参というわけでもありません。 諜報機関によって侵害されたという噂もありますが、そのような問題は、事前設定の際にユーザーが脆弱なパスワードを設定した場合に限って見られるようです。通常の VPN サービスは、これより優れています。
要点:L2TP は全般的に旧式化しており、、特に通信速度に関してはその傾向が顕著です。最新鋭の VPN プロトコルは、どれも優秀です。
PPTP – ポイントツーポイントトンネリングプロトコル
PPTP は、この記事でご紹介している他のプロトコルに、やや先行して登場したプロトコルです。 マイクロソフトを含む複数の企業の協力により開発されました。このため、PPTP はネイティブの VPN 機能として Windows にバンドルされていました。
要点:2023年の今日においては、PPTP を選ぶことは、まさに最悪の選択です。すでに時代遅れとなっており、セキュリティ上の欠点も多数指摘されています。あらゆるユースケースで、他のプロトコルのほうが優秀な働きを示しています。
SSL – セキュアソケットレイヤおよび TLS – トランスポート層セキュリティ
SSL や TLS は正確には VPN プロトコルではありませんが、うっかり VPN プロトコルと取り違えられていることがあります(または VPN 構築に使用されていると信じられています)。SSL とその後継である TLS は、日頃のインターネット利用を保護するためのものです。
したがって、これらを利用するか否か選択する余地は、実際にはありません。SSL は姿を消しつつありますが、一部のレガシーシステムは依然として SSL を使い続けています。TLS は現役のニューフェイスで、まともな Web サイトであれば必ず TLS との接続を確保しているはずです。
要点:SSL も TLS も VPN プロトコルではなく、SSL は急速に姿を消しつつあります。
OpenVPN
OpenVPN は、VPN プロトコル事業の主力サービスのひとつです。あらゆる環境で何年も使用され、容赦なく試されてきました。最新鋭の設計ではないかもしれませんが、信頼性があり、その点が非常に重要です。
要点:OpenVPN は、今お手元でご利用中の別の VPN プロトコルに取って代わりうる、優れた代替手段です。
SSH – セキュアシェル
SSH は、VPN プロトコルと考えられているものに非常によく似ています。同じような原理で動作しますが、重要な違いがひとつあります。SSH は特定のターゲットに対するひとつの接続だけを保護するのに対し、VPN はすべてのトラフィックを暗号化できます。
もっとも SSH は、余人には理解不能なコンピューターエンジニアリングのタスクをこなす技術屋の間では、非常に人気があります。
要点:SSH は VPN に似ているものの、一般消費者には扱えない代物です。
WireGuard
Wireguard は、現在最も流行している VPN プロトコルのひとつです。他の OpenVPN よりも高速かつスムーズです。過去数年間のあいだに、消費者向け VPN の世界で、着実にシェアを拡げてきました。
要点:Wireguard は非常に優秀なため、Surfshark ではこれをデフォルトでユーザー向けプロトコルとして採用しています。
結論: 自分に必要な種類の VPN を入手しましょう
私たちが生きている、この素晴らしきテクノ未来社会では、VPN の種類を選択することができます。VPN の機能を十分理解していなければ、ご自分のニーズに合ったものを入手することはできません。ほとんどの方は、プレミアム VPN 一択です。Surfshark もまたプレミアム VPN です。どうぞ Surfshark をお買い上げいただきますよう、お願い申しあげます。
よくある質問
VPN にはどんな種類があるか?
VPN に厳密な分類基準があるわけではありませんが、主には次のように分けられます。
- リモートアクセス VPN – リモートワーク中の従業員が会社のネットワークにアクセスする場合に便利。
- 拠点間 VPN – 相互にアクセスする企業イントラネット向け。
- パーソナル VPN – 個人のお客様ががホームネットワークに安全にアクセスするための VPN。
- 企業向け VPN – あらゆる業種の企業様に向いており、企業データへのアクセスを保護します。
VPN とは何か?また、どんな種類があるか?
VPN とは、仮想プライベートネットワークのことであり、実際にはパブリックネットワークであるインターネットを経由しながら、2台のパソコンを有線接続したかのようなセキュリティを実現するテクノロジーです。
VPN の分類法について有意義な取り組みを行った研究者がいるわけではありませんが、一般に、リモートアクセス VPN と拠点間 VPN が、二大カテゴリとされています。
最適な VPN の種類はどれか?
最適な VPN の種類は、VPN の分類法により異なります。価格別で見るならプレミアム VPN が最もお勧めです。ユースケース別に見るなら、お客様自身のニーズにより異なります。