この記事をお読みのみなさまなら、「VPN 位置情報の変更」について調べたことがあるかもしれません。それは正しいことです。というのも、つまるところ、それが VPN (仮想プライベートネットワーク)の主な利点のひとつだからです。位置情報の変更は、プライバシー保護、公共 Wi-Fi におけるセキュリティ確保、ファイアウォールの回避、検閲回避などに有効です。ただし、トラフィックの送信元を変更できる唯一の方法というわけではありません。
この記事では、VPN の位置情報を変更する理由と方法 (最も信頼性の高いオプション)、Tor ブラウザやプロキシを使って国を変更する方法、また、主要デバイスで手動で変更する方法について、解説いたします。
目次
オンラインで位置情報を変更する理由は?
ネットユーザーがネット上で何をするかは、本人以外のだれにも関わりのないことであり、本来、その情報を公開するかどうかは、本人の選択のみによるべきです。位置情報や IP アドレス(インターネットプロトコル)を変更することは、そのような権利を守るためのひとつの方法です。位置情報を変更する主な動機としては、安全確保、プライバシー保護、選択の自由、利便性が挙げられます。
プライバシーを守る
IP アドレスは、ユーザーがどこにいようとも、ネット上でユーザーの身元を表すデータとして機能します。このため IP を調べれば、本人が今どこにいるのか、おおよその位置を知ることができます。またウェブサイトやその他の第三者は、本人がアカウントにログインしていないときでも、ネット上における行動を追跡することができます。VPN を使って位置情報を変更すれば、そのような追跡行為を阻むことができます。
制約を回避する
ネット空間は自由に利用できるべき多くの国々や企業(ソーシャルメディアプラットフォームに顕著)が、インターネットに自由にアクセスできないよう、ファイアウォールという制約を設けています。
インターネットは、あらゆる人に開かれている(まさに小さな個人を結びつける)ことをめざしていましたが、政府や企業の方針の違いにより、分断されつつあります。ユーザーの居場所によって、検索結果が異なったり、検索結果の一部が表示されなかったり、一部サイトに全くアクセスできなかったりします。
VPN を使って位置情報を変更すると、地域による制約を回避することができ、今までアクセスできなかったサイトなども、全く自由に見られるようになります。
有利な価格にアクセスできる
位置情報を変更することで、より安価な市場にアクセスできるようになります。ほとんどの企業は、地域ごとに価格を設定しています。たとえば、(多くの重要指標の中でも特に)牛乳の価格は、経済圏や国によって大きく異なります。ネット上のベンダーも同じです。
位置情報を変更する方法
Web 上の位置情報を変更するということは、単にパブリック IP アドレスを変更することを指します。最も安全で最善の方法は、VPN を利用することです。そして、万事に言えることですが、方法はひとつではありません。
VPN を利用して IP を変更する
自分にいちばん適したプランの VPN サービスを見つけ、購入ページに進みます。もちろん Surfshark をお勧めします。とにかくアカウントがなければ始まりません!
ステップ1:VPN サービスに加入します。
ステップ2:VPN アプリをダウンロードしてインストールします。
まずは保護したいデバイスを決めます。どのようなデバイスをカバーできるかが分からない場合は、ダウンロードページに、完全な一覧表があります。複数デバイスを同時に接続できます。
ステップ3:アプリにログインします。
インストール後に VPN アプリを開いてログインするだけで、サブスクが有効になります。
ステップ4:クイック接続をクリックします。
ようこそ!位置情報が変更され、新たな IP アドレスが付与されており、データは守られます。クイック接続では、いちばん近場の混雑していないサーバーに接続するため、申し分ない通信速度が得られます。
また、クイック接続により接続したサーバーが、手元のニーズに合わない場合は、自分で位置情報を変更することもできます。
VPN を利用して位置情報を特定の国に変更
接続先となるサーバーにこだわりはないが、特に国を選択したい場合は、この方法を用います。必要となる手順は若干増えます。
ステップ1:アプリにログインします。
ステップ2:[位置情報] タブに移動します。
優秀な VPN は数多くのサーバーを設置しており、Surfshark も例外ではありません。唯一の問題として、ではどのサーバーに接続すべきでしょうか。
ステップ3:お目当ての(VPN サーバーの)位置情報を見つけます。
位置情報を始めから終わりまで全部スクロールするのは面倒くさいですね。そのような場合は、位置情報の上にある検索バーを使って、お目当ての位置情報を探しましょう。
ステップ4:接続する位置情報をクリックします。
こんなにお手軽なんです!もしお手元のデバイスがアプリをサポートしていない場合は、手動でセットアップするか、代わりに VPN ルーターをご利用いただけます。
Tor ブラウザを利用する
Tor ブラウザを利用して位置情報を変更するのは非常に簡単で、ブラウザを実行するだけです。
ステップ2:起動して [接続] をクリックします。
ステップ3:これで完了です!
お手軽ですよね。ただ残念なことに、ここにはいくつかの欠点が見られます。
- 特定の位置情報を選択したい場合は、ブラウザを実行するだけというわけにはいかず、設定をくまなく調べ回る必要があります。
- また、そのブラウザを利用しているときしか効果がなく、Tor を経由しない他のアプリや検索では、元の IP と位置情報が用いられます。
- Tor ブラウザは通信速度が遅いです。
ざっくり言えば、Tor は匿名性に優れたツールと言えます。ただし、暗号化されていないデータを追跡され、本当の居場所を特定される危険は残り、通信速度が遅いのが難点です。
このため Surfshark のような有料 VPN をお勧めいたします。
プロキシを利用する
プロキシを設定する正確な手順はさまざまで、お手元でご利用のシステムによります。基本的な手順は以下の通りですが、お手元のデバイスについては、ご自分でお確かめください。
ステップ1:デバイスのプロキシ設定を開きます。
ステップ2:プロキシサーバーのアドレスとポート番号を入力します。
ステップ3:変更を保存します。
以上で、位置情報と IP アドレスは変更されます。そう、とてもお手軽ですね。ただしプロキシサーバーは、暗号化を行わないため、位置情報こそ秘匿できるものの、その他のセキュリティ対策がお手元のデータに施されるわけではありません。
IP アドレスを手動で変更する
IP を変更する方法のうち、手作業による変更は、最も安全性の低いオプションとなります。それでも、盗み見している輩に対して、別の居場所にいるように見せかけることはできます。
Windows で位置情報を変更する方法
- [スタート] メニューから [設定] を選択します。
- [ネットワークとインターネット] を選択します。
- ローカルエリア接続で [プロパティ]を選択します。
- IP 割り当ての [編集] をクリックして、[手動] を選択します。
- Ipv4 のスイッチをオンに切り替え、希望の IP アドレスを入力して、[保存] をクリックします。
macOS で位置情報を変更する方法
- Apple メニュー(左上隅のApple アイコン)に移動します。
- ドロップダウンメニューから [システム環境設定] を選択します。
- [ネットワーク]をクリックします。
- 左側にネットワーク一覧が表示されています。ネットワークを選択し、表の右側にある [高度]をクリックします。
- 中央上部の TCP/IP を選択します。
- [IPv4 の構成] 行で、 [手動] を選択します。
- 新しい IP を入力し、OKをクリックします。
iOS(iPhone、iPod、iPad)で位置情報を変更する方法
- デバイスの [設定]に移動します。
- Wi-Fi をタップします。
- 接続しているネットワークを選択します。
- [IPv4] セクションで、[IP の構成]をタップします。
- [手動]を選択し、ご希望の IP アドレスを入力します。
Android で位置情報を変更する方法
- [Android の設定]に移動します。
- [ワイヤレスとネットワーク] をタップし、Wi-Fiに進みます。
- 現在接続している Wi-Fi ネットワークを長押しします。
- [ネットワークの変更] をタップし、[高度なオプション]に進みます。
- IP 設定のアドレスを DHCP から [静的]に変更します。
いずれにしても、セキュリティの観点から、位置情報を変更する方法としては VPN を利用することをお勧めいたします。何者かにスパイされているような場合、IP を手動で変更しても、効果はありません。VPN はデータ トラフィックも暗号化します。覗き見している輩には、何を覗き見ているのかすら分かりません。このため VPN こそが最良の選択肢と言えます。
ルーターのプラグを抜く
新たな IP アドレスを取得する最も手っ取り早い方法は、ルーターのコンセントを抜くことです(矛盾しているように聞こえますが)。あらためてコンセントを挿すと、インターネットプロバイダーの DHCP (動的ホスト構成プロトコル)サーバーが、お手元のルーターに新しい IP アドレスを割り当てることがあります。
ただし、ルーターをコンセントから抜いたままにしておくべき時間は、IP のリース時間に応じて数分~数時間と、それなりの時間を要します。また、インターネットサービスプロバイダー(ISP)から、以前と同じ IP アドレスを割り当てられてしまう場合もあります。
この方法には一貫性がなく、VPN と同じようなレベルでプライバシーを守ることはできません。
自分の VPN 位置情報が変更されていることを確認する方法は?
VPN の位置情報をチェックして、VPN が意図したとおりに動作していることを確認することをお勧めいたします。これを行う簡単な方法としては、IP アドレス検出ツールを用いることができます。
VPN に接続しているのに、IP が実際の位置情報を表している場合、その VPN サービスは安全ではなく、正しく動作しているとは言えません。そのような場合は、もっと優れた VPN に切り替える必要があります。
VPN が位置情報を変更する仕組みとは?
インターネットを利用していると、IP アドレスによって、ユーザーの物理的位置が明らかとなります。一方 VPN はユーザーの IP 位置情報を秘匿します。では、どのように秘匿するのでしょうか。
- VPN を利用することで、別の仮想的な位置情報を選択することができ、サイト側から見られる新たな IP アドレスを取得することができます。
たとえばドイツに住んでいてオーストラリアに接続している場合、サイトの側からは、ドイツではなくオーストラリアの IP アドレスが見えます。これによりサイト側は、受信したリクエストがオーストラリアから送られて来たものと認識します。
- VPN は、トンネルを作成し、そこを通してデータをやり取りすることで、データを暗号化します。
サンタクロースになった気になって、今仮に友人 A に渡す秘密のプレゼントを持っているとしましょう。プレゼントをまず友人 B に渡すことで、友人 A にはプレゼントの贈り主が分からないようにすることができます。友人 A はプレゼントがとても気に入り、友人 B に正体を隠しているサンタさん宛てのお礼状を託します。このようにして、プレゼントもお礼状もちゃんと届けられますが、友人 A にサンタの正体を知られることはありません。
VPN をご利用いただきますと、トラフィックを監視している輩の眼には、実際の居場所の代わりに VPN サーバーの IP アドレスと位置情報が見えるようになります。
サービスによっては、DNS アドレスまたは WebRTC データを使って位置データを取得する場合もありますが、優秀な VPN はそれにも対応しています。
結論 位置情報を常に秘匿できる VPN をぜひご利用ください
プライバシーを守りたい場合も、ファイアウォールの厳しい制約を回避したい場合も、VPN を利用して実際の IP アドレスや位置情報を変更することが、最善の選択肢となります。その点 Surfshark は使いやすく、安全で、コスパの良いオプションであり、わずか数分で IP の位置情報を変更できます。
よくある質問
VPN 位置情報を無料で変更する方法は?
無料 VPN を取得するだけです。しかし、お勧めはできません!
無料 VPN を利用すれば、IP の位置情報を変更することはできますが、無料 VPN には DNS リークを防ぐリソースがありません。あるいは、収益化を確保するため、ユーザーデータを売りさばいていることすらあります。無料 VPN では安全を確保できないのである以上、そもそも IP アドレスを変更したところで 無意味です。
VPN を利用して位置情報を変更することは違法か?
いいえ。ただし、VPN の利用全般を違法と定めている国にお住まいの場合を除きます。また、違法ではなくても、現在ご利用になっている何らかのサービスの利用規約に抵触することは考えられますので、ご留意ください。
免責事項:弊社のサービス利用規約に反する違法な目的で Surfshark を利用することは禁じられています。すべての適用法とストリーミングサービスプロバイダーの規則を遵守して行動するようしてください。
VPN を利用して位置情報を変更する方法は?
VPN を利用して位置情報を変更する方法は、次の通りです。
ステップ1:VPN サービスに加入します(Surfshark などの有料 VPN は無料 VPN より優秀です)。
ステップ2:VPN アプリをダウンロードして、選択したプラットフォームにインストールします。
ステップ3:ユーザー名とパスワードを使ってアプリにログインします。
ステップ4:[接続] をクリックします。
以上です!
VPN を乗り換えることは安全か?
このご質問は、その VPN 自体が安全か、というご質問と同じです。このため、現在利用している VPN の種類や、どのような VPN に乗り換えようとしているか、によります。乗り換えること自体は安全ですが、安全とは言えない VPN プロバイダーも存在します。したがって、VPN プロバイダーが定めている各種ポリシー、サービスの沿革、データの取り扱い方などを、よく確認することをお勧めいたします。