米国のIP(インターネットプロトコル)アドレスを取得すると、ネット上におけるプライバシーをより確実に保護でき、ネットショッピングでより有利な割引を受けられたり、渡航先で母国のサイトにアクセスできたり、さまざまなメリットがあります。
米国のIPアドレスを取得する場合、いろいろな方法がある中でも、VPN(仮想プライベートネットワーク)が最も信頼できる方法になります。この記事では、米国のIPアドレスを取得するさまざまな方法と、そもそもなぜ米国のIPアドレスを取得すべきなのかを解説していきます。
米国のIPアドレスとは何か?
米国のIPアドレスとは、米国に割り当てられている15億以上のIPアドレスを含む通常のIPアドレスのことを指し、デバイスのデジタル身分証明書として機能しています。IPアドレスから、おおよその位置情報、ISP(インターネットサービスプロバイダー)、デバイス情報といった詳細情報を掴めることがあります。多くのWebサイトやオンラインサービスでは、IPアドレスを手がかりにユーザーの位置情報を把握し、そのユーザーがアクセスできるコンテンツを制御しています。
旅先でも自宅にいる時と同じようにネットを閲覧したいと考える大勢のアメリカ人が、VPNを利用して米国のIPアドレスを取得しています。VPNを利用すると、米国国内からネット閲覧しているように見せかけることができ、米国国内専用のWebサイトやサービスにアクセスすることができます。VPNが最も便利で安全な方法ですが、他にも検討に値する方法があります。
米国のIPアドレスを取得する4つの方法
VPN、プロキシ、DNSサーバー、Torブラウザは、いずれも米国のIPアドレスを取得するのに効果的な方法です。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
VPN
米国のIPアドレスを取得する最も簡単で安全な方法は、米国にサーバーを設置しているVPNを利用することです。米国のVPNサーバーに接続すると、インターネットトラフィックはそのサーバーを経由してルーティングされます。VPNを利用して米国のIPアドレスを取得する方法
- SurfsharkなどのVPNサービスに加入し、VPNアプリをダウンロードしてください。
- アカウントを作成するか、既存のアカウントにログインしてください。
- 検索バーに米国と入力し、お好みのVPNサーバー所在地をクリックするだけで、米国のIPアドレスを取得できます。
これにより、実際のIPアドレスが米国のIPアドレスによって秘匿され、あたかも米国にいるかのように見えます。その結果、海外渡航先でも、使い慣れた米国限定のWebサイトに自由にアクセスすることができます。
高評価を得ているVPNプロバイダーのほとんどは、米国全土にサーバーを幅広く展開しています。例えば、Surfsharkは、ロサンゼルス、ニューヨーク、シカゴなど、米国の主要22都市に700台以上のサーバーを展開しています。このため、自分のニーズに最も適した州や都市に接続することができます。
VPNは、日頃慣れ親しんだWebサイトやサービスに海外からアクセスすることを手助けしてくれるだけでなく、オンラインプライバシーも強化してくれます。VPNは、実際のIPアドレスを米国のIPアドレスに置き換えることで、ユーザーの身元情報や位置情報、ネット上で何をしているかというオンラインアクティビティ情報を、覗き見しようとする者の目から守ります。また、トラフィックを暗号化することで、米国のIPアドレスで何をしようと、プライバシーはしっかり守られます。
高評価を得ているVPNサービスは、普通、有料サブスクリプションに加入することで利用できます。割高に感じられたり、無駄なように思えたりするかもしれませんが、無料VPNにはそれなりの欠点がしばしば見られます。一般に、設置しているサーバーが少なく、通信速度が低く、帯域幅にも制約が見られます。しかも、ユーザーデータを第三者に売りさばいたり、大量の広告を表示させたりすることで収益を確保しているVPNもあります。
VPNを利用してIPアドレスを変更する際に考慮すべき点をいくつかご紹介します。
長所 | 短所 |
---|---|
各地にサーバーを展開しており、選択肢が豊富である | 割高に感じられることがある |
データの暗号化 | 無料サービスは信頼性が低いことが多い |
同時に接続できるデバイス台数が無制限 | |
セットアップもお手軽 |
プロキシ
プロキシサーバーは、デバイスとインターネットの間の仲介役として機能します。プロキシサーバー経由で接続すると、プロキシサーバーがユーザーに代わってリクエストをWebサイトに転送し、データを取得します。
プロキシサーバーで米国のIPアドレスを取得するには、米国のサーバーに接続します。
- プロキシサーバープロバイダーを選択し、米国にあるサーバーを見つけて、そのIPアドレスとポート番号をメモします。
- これらの情報をお手元のデバイスまたはブラウザのプロキシ設定に入力すると、プロキシサーバーを使用できます。
VPNと同じく、プロキシはトラフィックを別のサーバーにルーティングすることで、実際のIPアドレスを米国のIPアドレスに置き換えます。これにより、米国内からネット閲覧しているように見えるため、自宅から遠く離れていても、いつも利用している米国のWebサイトやサービスにアクセスすることができます。
ただし、プロキシサーバーは、VPNと比較するとセキュリティやプライバシー保護の機能は劣ります。VPNはインターネット接続全体を暗号化するのに対し、プロキシサーバーは通常IPアドレスを秘匿するだけです。つまり、トラフィックは傍受やインターネットサービスプロバイダー(ISP)による追跡に対して脆弱なままです。
プロキシサーバーによっては、運営資金を確保するため、ユーザーのオンラインアクティビティを記録しているところもあり、ユーザーのプライバシーを危険に晒しています。また、多くのWebサイトは、プロキシトラフィックを検出してブロックできるため、米国のIPアドレスを取得しても無駄になってしまいます。
プロキシサーバーを使用して新しいIPアドレスを取得する主なメリットとデメリットについて見てみましょう。
長所 | 短所 |
---|---|
無料オプションが多い | インターネットトラフィックを暗号化しない |
使いやすい | オンラインアクティビティを追跡されることがある |
Webサイトによって検出・ブロックされるおそれがある |
DNSサーバー
DNS(ドメインネームシステム)はデジタル電話帳のようなもので、ドメイン名をIPアドレスに変換します。ほとんどの人は、インターネットサービスプロバイダー(ISP)が提供するデフォルトのDNSをそのまま使用しています。
DNSシステムを通じて米国のIPアドレスを取得するには、スマートDNSサービスが必要になります。
- 米国地域へのアクセスをサポートするスマートDNSプロバイダーにサインアップしてください。
- プロバイダーの設定手順に従って、お手元のデバイスまたはルーターにDNSアドレスを設定してください。
- スマートDNS設定で、優先地域として米国を選択してください。
この機能は、URLリクエストを米国にあるプロキシサーバーを経由してルーティングするものです。お手元のデバイスのローカルDNSアドレスを米国にあるものに変更することで、海外渡航先からでも、普段利用している米国のWebサイトやサービスにアクセスできるようになります。
ただし、スマートDNSは、VPNやプロキシサーバーのようにIPアドレスを実際に変更するわけではないことを理解しておくことが大切です。スマートDNSはDNSアドレスを米国に拠点があるように見せかけるだけです。しかも、スマートDNSには、VPNのような暗号化機能やプライバシー保護機能がありません。このため、ユーザーのインターネットトラフィックは暗号化されず、監視や傍受の危険に引き続き晒されます。
では、スマートDNSのメリットとデメリットについて確認しましょう。
長所 | 短所 |
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通信速度が速い | データを暗号化しない |
ほとんどのデバイスで簡単に設定できる | ユーザーのIPアドレスを変更しない |
インターネットサービスプロバイダー(ISP)がカスタムDNS設定をブロックしている場合は機能しないおそれがある |
Tor
お勧めはできませんが、無料のTor(The Onion Router)ブラウザを使用して米国のIPアドレスを取得することは可能です。Torプロジェクトの一角を占めるTorブラウザは、ユーザーのトラフィックを暗号化しルーティングします。これは、世界各地に分散する3つの異なるサーバー(ノードまたはリレーとも呼ばれる)を経由することで可能になっています。これらのリレーは、プライバシーを強化し侵害を防ぐため、5分ごとに自動的に切り替わっています。
デフォルトでは、TorネットワークはランダムなIPアドレスを付与することで、ユーザーの位置情報を秘匿します。ただし、米国など特定の国からネット閲覧しているように見せたい場合は、設定を調整することで米国のIPアドレスをリクエストすることもできます。
VPNと比較すると、Torの設定はやや複雑で技術を要します。このため、米国のIPアドレスを取得するにしても、少し手こずるかもしれません。
- TorプロジェクトのWebサイトからTorブラウザをダウンロードしてインストールしてください。
- インストールフォルダを見つけたら、以下のとおりに進んでください。ブラウザ>Torブラウザ>データ>Tor
- メモ帳などのテキストエディタを使用してtorrcファイルを開きます。
- ファイルの末尾にExitNodes {us} StrictNodes 1というテキストを追加します。これにより、Torは米国の出口ノードを使用するようになります。
- ファイルを保存し、Torブラウザを再起動します。これで、ユーザートラフィックは米国から送信されているように見えます。
Torネットワークはボランティアによって運営されているため、ユーザートラフィックが悪意のある人物や監視機関の所有するリレーを通過するおそれがあります。このリスクを抑えるため、多くのユーザーはTorをSurfsharkなどの信頼できるVPNと組み合わせて利用しています(いわゆるOnion over VPNと呼ばれる設定)。
Torブラウザを使用してIPアドレスを米国のものに切り替える際は、以下のポイントにお気をつけください。
長所 | 短所 |
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多層暗号化 | ネットの通信速度が著しく低下する |
完全無料でだれでも利用できる | 悪意のある出口ノードが存在するおそれがある |
Webサイトやサービスによってはブロックされるおそれがある |
米国のIPアドレスを取得すべき理由は?
米国のIPアドレスはいろんな場面で役に立ちます。取得すべき理由は以下のとおりです。
- プライバシー保護:米国のIPアドレスを使用することで、実際のIPアドレスを秘匿することができ、インターネットプロバイダー(IPS)やおおよその位置情報といった詳細情報を把握されるリスクを避けられます。
- 海外渡航先からもWebサイトにアクセス:米国にあるWebサイトの多くは、ユーザーのIPアドレスを確認し、その位置情報に基づいてアクセスに制限をかけています。米国のIPアドレスを使用することで、海外渡航先からもお気に入りのサイトやサービスにアクセスできるようになります。
- ネットバンキングのセキュリティ対策:銀行や金融機関は、セキュリティ対策の一環として、海外のIPアドレスからのログインをブロックすることがよくあります。米国のIPアドレスを使用することで、海外からもこれらの金融サービスに安全にアクセスできます。
- 料金が安くなる:オンラインストアによっては、地理的位置に基づいて価格を調整しているところがあります。米国のIPアドレスを使用することで、地理的位置による不利な価格設定を回避でき、地元民のようにショッピングが楽しめます。
- 米国限定セールを利用できる:海外にいる間に、ソフトウェアやビデオゲームなどの米国限定セールを逃してしまうことがあるかもしれません。米国のIPアドレスを使用することで、海外にいながら、こうした米国国内限定セールに参加することができます。
- 抑圧的な当局による検閲を回避できる:抑圧的な政府当局が、特定のWebサイトやコンテンツへのアクセスを制限・ブロックしている場合があります。米国のIPアドレスを使用することで、検閲をすり抜けて米国のWebサイトにアクセスできるようになります。
- 円滑なリモートワーク:出先で仕事をする際に、IPアドレスが変わって位置情報が変わると、自社のネットワークやサービスへのアクセスに問題が生じることがあります。米国のIPアドレスを使用すると、米国国内からアクセスしているように見えるため、こうした問題を回避することができます。
米国の専用IPアドレスを取得する
米国の専用IPアドレスとは、米国内にある一意のIPアドレスのことで、特定のユーザーアカウントにのみ割り当てられます。つまりネットに接続するたびに、同一の米国のIPアドレスを使用することになります。トップクラスのVPNなら、通常、複数の位置情報で、専用IPアドレスを使用できます。例えばSurfsharkでは、米国内の6つの位置情報で専用IPアドレスをご使用いただけます。ニューヨーク、ロサンゼルス、ラスベガス、ダラス、デンバー、サンノゼです。
複数のユーザーが同時に使用する共有IPアドレスと比較して、米国の専用IPアドレスには、いくつかの利点があります。
- 円滑なアクセス:米国のIPアドレスを自分ひとりで使用できるため、同一IPアドレスを使用する他のユーザーの行動による混雑や混乱を回避できます。
- IPブロックリスト入りを回避できる:共有IPアドレスの場合は、他のユーザーがスパムメールやマルウェアの送信など、不審な行動を取っていると、フラグ付けされたりブロックされたりするおそれがあります。専用IPアドレスを使用すれば、ブロックされるリスクを最小限に抑えることができます。
- CAPTCHAの回避:サイト側からすれば、共有IPアドレスとは異なり、1人だけが使用する専用IPアドレスから複数のリクエストを受信することはありません。このため、不審なトラフィックとしてフラグ付けされるおそれが低くなり、CAPTCHAリクエストを頻繁に受ける煩わしさを回避できます。
米国のIPアドレスを取得するのに最適なVPNは?
Surfsharkは、米国のIPアドレスを取得するのに最適なVPNの1つです。100か国に3,200台を超えるサーバー(米国の主要22都市だけでも700台を超える)を設置しているため、選択の幅が広く、お客様にとって最適なロケーションにあるサーバを見つけやすくなっています。サーバーの台数が多いため、過密により通信速度が低下するリスクを最小限に抑えられます。
アトランタ、ボストン、ダラスにあるSurfsharkのサーバーはいずれも、WireGuard、IKEv2、OpenVPNといった最新のVPNプロトコルをサポートしています。また、いずれのサーバーも100%RAMのみで動作しており、電源を落としたり再起動したりすれば、すべてのデータが消えるため、これもプライバシー保護機能の強化に繋がっています。その他にも
Surfsharkは強力なセキュリティ機能を多数取り揃えております。例えば、固定IPを使用すれば、何回接続しても毎回同一の米国のIPアドレスを使用することができます。また、IP Rotatorを使用すれば、ネット接続を切断することなく5~10分ごとにIPアドレスを変更することができます。その一方で、Bypasserという機能もあります。これはスプリットトンネリング機能であり、特定のWebサイトやアプリについてはVPNを経由しない(米国のIPアドレスを使用しない)ことができます。
しかもSurfsharkでは、同時に接続できるデバイスの台数に制限がありません。このようなVPNは珍しく、お手元のデバイスを米国のIPアドレスでシームレスに守ることができます。
まとめ:米国のIPアドレスを取得することのメリット
米国のIPアドレスを取得すると、さまざまなメリットがあります。プライバシーは強化され、より有利な条件でネットショッピングができ、海外から母国のコンテンツにアクセスできます。幸いなことに、米国のIPアドレスを取得するのは、そう難しいことではありません。セキュリティを最優先するなら、VPNを利用するのが最良の選択です。これによりIPアドレスを秘匿し、インターネットトラフィックを暗号化することができます。しかも今すぐ始めることができます。
よくある質問
米国のIPアドレスを入手する方法は?
VPN、プロキシサーバー、Torブラウザを使って米国のサーバーに接続し、実際のIPアドレスを米国のIPアドレスに置き換えるかたちで、米国のIPアドレスを取得することができます。
米国のIPアドレスを見つける方法は?
米国のIPアドレスを見つけるには、VPNを利用して米国のサーバーに接続します。これにより、実際のIPアドレスが自動的に米国のIPアドレスに置き換わります。または、プロキシかTorブラウザを経由して米国のサーバーに接続し、米国のIPアドレスを取得することもできます。
米国のIPアドレスを取得できるところは?
さまざまなプロバイダーから米国のIPアドレスを取得できます。SurfsharkなどのVPNサービス、プロキシ、Torネットワークは、いずれも米国にサーバーを置いており、それらに接続することで米国のIPアドレスを取得できます。実際に米国内にいる場合は、インターネットに接続するだけで、インターネットサービスプロバイダー(ISP)が自動的に米国のIPアドレスを割り振ります。
米国にあるサーバーを利用する方法は?
米国にあるサーバーを利用するには、米国にサーバーを設置しているVPNを選んで、プランにサインアップしてください。米国にあるサーバーのうち、ご希望のサーバーを選択して、接続してください。
米国のIPアドレスを使用していることを確認する方法は?
SurfsharkのIPアドレスチェッカーを使えば、米国のIPアドレスを持っているかどうか確認できます。このツールは、ご利用中のIPアドレス、インターネットサービスプロバイダー(ISP)、国や都市を含む位置情報を表示することができます。
海外のIPアドレスを取得する方法は?
VPN、プロキシ、Torブラウザなどを使って、海外のIPアドレスを取得することができます。VPNかプロキシを利用する場合、希望する国のサーバーを選択するだけでIPを取得できます。Torブラウザの場合は、希望する国のIPアドレスの割り当てをリクエストすることができます。
IPアドレスから住んでいる国が分かりますか?
はい。IPアドレスを見れば、ユーザーがどの国ならネットを利用しているかが分かります。IPアドレスには通常、一定の地理的情報が含まれており、国、県、市、郵便番号まで分かることがあります。
IPアドレスは追跡できますか?
はい。IPアドレスはいろいろな方法で追跡することができます。最も一般的な方法として、Windowsのコマンドプロンプトを使用するか、生のメールデータを調べるか、サーバーログを確認することで、IPアドレスを見つけることができます。IPアドレスが見つかったら、IPアドレスチェッカーを使って、その位置情報、インターネットサービスプロバイダー(ISP)、その他の詳細情報を取得しましょう。
IPアドレスはずっと同じですか?
いいえ。IPアドレスはずっと同じではありません。ルーターの再起動、ネットワークの構成、ネットワークの切り替え、インターネットサービスプロバイダー(ISP)の乗り換えなどによって変わることがあります。ただし、専用IPアドレスを使用している場合、お手元のデバイスは常に同一のIPアドレスを使ってインターネットに接続します。これは手動で再設定しない限り、変わりません。
米国で無料VPNを利用することはできますか?
どの国にお住まいでも、一般に、無料VPNは通信速度が遅く、セキュリティも脆弱なため、利用すべきではありません。広告目的でユーザーデータが第三者に売りさばかれるリスクも存在します。また、ほとんどの無料VPNでは、世界に展開するサーバーネットワークが貧弱で、しかも、多くのサーバーがさまざまなサイトによってブロックリストに登録されているため、その機能性は大幅な制約を受けています。